元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「劔岳 点の記」

とても感銘を受けた。本作に対して“登場人物の内面が描けていない”だの“大きなドラマが起こらない”だのといった感想しか持てないとしたら、それはこの映画の主題を見過ごして別のところに目が行っているせいである。 明治末期に立山連峰の劔岳への初登頂を目…

「JM」

(原題:JM Johnny Mnemonic)95年作品。未来世界を舞台に、脳にシリコン・チップを埋め込んで極秘データを配達するエージェント、ジョニーの活躍を描いたSF活劇編だ。まず考えるのは、はたして人間の頭脳にはどれだけの記憶容量があるのか・・・・とい…

「ディア・ドクター」

普通の映画である。手触りは悪くなく感銘度もそこそこ。プログラム・ピクチュアとして流しておくには良いが、それ以上でも以下でもないと思う。ただし、これが「蛇イチゴ」と「ゆれる」で若手女流のホープに登り詰めた西川美和監督の新作だということになる…

「ショーガール」

(原題:Show Girls)95年作品。弱肉強食のショー・ビジネスの世界で、トップ・ダンサーを夢見るヒロインの奔放な生態を描いたドラマ。監督がポール・ヴァーホーヴェンだから、登場人物の心理描写だの葛藤だの微妙なニュアンスだのといったデリカシーがま…

「精神」

かなりキツい映画である。岡山市にある、生活保護受給層などの経済的に恵まれないメンタル障害者を対象とした診療所を舞台に、患者たちを定点観測したドキュメンタリー。監督は「選挙」(私は未見)で評判を博した想田和弘だ。 冒頭、いきなり今にも死にそう…

「ウイズ」

(原題:The Wiz)78年作品。先ほど急逝したマイケル・ジャクソンの、おそらくは(ドキュメンタリー等を除いて)唯一の長編映画出演作だ。39年製作の「オズの魔法使い」のリメイクだが、正しくは原作をアレンジした演劇版の映画化である。舞台は現代のニ…

「クローンは故郷をめざす」

アンドレイ・タルコフスキー監督の傑作「惑星ソラリス」との共通性が見て取れる。死んだ人間が生き返ってくるところ、文字通り“故郷をめざす”主人公、そして“水”の描写を流れる時間のメタファーとして扱うこと等は誰でも感付くことだろう。さらに、低予算で…

「メガフォース」

(原題:MEGAFORCE )82年作品。香港のプロデューサーであるレイモンド・チョーが監督ハル・ニーダムを起用して作ったアメリカ製SFアクションである。 この二人が手掛けた作品群の中で一番良く知られているのが「キャノンボール」であろう。どうしようも…

「それでも恋するバルセロナ」

(原題:Vicky Cristina Barcelona)インモラルで生臭い話なのだが、実に好印象。ウディ・アレンの熟練の技とスペインの明るい陽光が、危うい筋書きを巧みにスマートな艶笑喜劇へと昇華させている。 バルセロナで一夏を過ごすためにアメリカからやって来た2…

「メジャーリーグ2」

(原題:Major Leage II)94年作品。大リーグのお荷物球団クリーブランド・インディアンズの奮闘を描いてヒットし「メジャーリーグ」(89年)の続編だが、観終わって感じたのは、ヒット映画の続編を作ることの難しさである。 前作は劇場で観たしテレビ画…

「愛を読むひと」

(原題:The Reader)観終わってみれば釈然としないものを感じる。15歳の少年と関係を続けたヒロインは、文盲であったという設定だ。だが、字も読めない者に路面電車の車掌が務まるのだろうか。停留所名も標識に書いてある注意指示も分からないのならば、…

ウォークマン発売から30年。

ヘッドフォンステレオの先駆けとなったSONYのウォークマンが発売されてから、この7月でちょうど30年になる。ウォークマンの誕生は、SONYの創業者の一人である故・井深大が出張時に飛行機の中で聴ける携帯用ステレオが欲しいと言ったのがきっかけ…

「ターミネーター4」

(原題:Terminator Salvation)予想通り、つまらない。監督が「チャーリーズ・エンジェル」などを撮った“外見的な派手さ”だけが身上のマックGだと聞いた時点で、結果が分かっていた。ならば観なければ良かったじゃないかと言われそうだが、そこは前作まで…