元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「おもひでぽろぽろ」

91年作品。この頃の日本映画界は質的にドン底にあった。新進気鋭の映像作家は出てこず、ベテラン陣も行き詰まっていた状況。その中にあって宮崎駿=高畑勲コンビの作り出す映像群だけが屹立したクォリティの高さを誇っていた。本作はその代表作だ(監督は…

Nmodeのアンプ類を試聴してみた。

Nmode製品の試聴会に行ってきた。Nmode(エヌモード)とは聞き慣れない名前だが、それもそのはず、出来たのは今年(2008年)である。SHARPで1ビットのデジタルアンプを展開していた主任技術者が定年退職後に立ち上げたブランドだ。第一…

「あの頃ペニー・レインと」

(原題:Almost Famous )2000年作品。ロック・ジャーナリズム志望の少年ライターの奮闘を追うキャメロン・クロウ監督作。舞台となった73年のロック・シーンというと、ピンク・フロイドが「狂気」を発表し、デイヴィッド・ボウイが「アラジン・セイン…

「バンク・ジョブ」

(原題:The Bank Job)なかなか痛快なクライム・ストーリーだ。71年にロンドンで実際に起こった王室スキャンダルに関わる銀行強盗事件を元にしているが、何より注目すべきは設定の巧者ぶりである。 金に困った中古車販売業者(実行犯)とその仲間、彼らに…

「スイミング・プール」

(原題:Swimming Pool )2003年フランス=イギリス合作。南仏を舞台に、女流作家を巻き込む謎めいた殺人事件を描く・・・・と書けば何やら通俗サスペンス劇みたいだが、「8人の女たち」や「まぼろし」などで知られるフランソワ・オゾンが演出を手掛け…

「青い鳥」

力作だが、重大な欠点がある。重松清の連作短編集の映画化で、吃音症の臨時教師と中学生たちの葛藤を通して、いじめ問題や教育について、そして人生において“大切なこと”を観客に問いかける中西健二監督作。 主人公が受け持つクラスは以前いじめにより一人の…

「RUSH!」

新作「感染列島」が公開待機中の瀬々敬久監督による2000年作品。焼肉屋の若い店員と社長(実はヤクザ関係)の一人娘が仕掛けた狂言誘拐が、悪徳警官や自殺志願の男などの勝手な「乱入」により、予測不可能な展開を見せ始める。 作劇はタランティーノの「…

「天国はまだ遠く」

たとえ死ぬほど悩んでいても、他人から見ればその悩みも大したことではない場合がある。反対に、端から見ればマイペースを絵に描いたような余裕たっぷりの人生を送っていても、人には言えない屈託を抱え込んでいるケースだってある。とにかく人の心は玄妙な…

「眠る男」

96年作品。群馬県の山奥の村を舞台に、山の事故で意識を失い眠ったままの男(アン・ソンギ)を中心に、周囲の人々の生活を静かに描く。監督は「泥の河」などの小栗康平。初めて地方自治体が手掛けた商業映画としても公開当時は話題を呼んだ。 さて、ハッキ…

「WALL・E/ウォーリー」

(原題:WALL・E)キャラクター設定は魅力的だが、話の辻褄が合っていない。29世紀、ゴミの山と化した地球を人類は見捨て、巨大宇宙船に移住したまま七百年間も引きこもっている。その間にゴミ処理ロボットが地球を掃除してくれる・・・・はずだったが、ほ…

「ラスト・アクション・ヒーロー」

(原題:Last Action Hero)93年作品。映画の世界と現実を行き来できる“魔法のチケット”を手にいれた少年が、アクション映画「ジャック・スレーター」の主人公(アーノルド・シュワルツェネッガー)といっしょに悪人を懲らしめるという、基本的には勧善懲…

「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」

(原題:SHINE A LIGHT )出来としては決して悪くないが、観たときのインパクトはハル・アシュビー監督が82年に撮った「ザ・ローリング・ストーンズ」の方がはるかに上だ。もちろんそれは鑑賞時の状況によるところが大きい。 アシュビー版が公開されたとき…

「不滅の恋 ベートーヴェン」

(原題:Immortal Beloved)94年作品。この映画の話題性というのは、ショルティとかマレイ・ペライア、ヨー・ヨー・マやエマニュエル・アックスといった一流どころのプレイヤーが、この映画のサントラのために、わざわざ新録音をしてくれたこと、それに尽…

「私は貝になりたい」

一番の見所は劇中で主演の中居正広が“よさこい節”を歌うシーンかもしれない。いつ音程が外れないか、または歌詞を間違えないかと、ヒヤヒヤした。実にスリリングなモチーフだったと思う(爆)。要するに本作はそれぐらいしか興味の持てる場面はないのだ。退…

「櫻の園」

90年作品。今年(2008年)になって同じ中原俊監督による“続編”みたいな作品が公開されたが、私は観る気が起きなかった。なぜなら、元ネタになった本作がまるでピンと来なかったからだ。ましてやその“二次使用”で前作を超えられるはずもない(事実、評…

「ブラインドネス」

(原題:BLINDNESS )終盤近くの、荒れ果てた町並みの描写は迫力があった。メジャーな映画会社ではなく独立系の作品でありながら、これほどのスケール感と迫真性を獲得した映像を提示できたとは、さすがに「ナイロビの蜂」などで実績のあるフェルナンド・メ…

小林泰三「ΑΩ(アルファ・オメガ) 超空想科学怪奇譚」

近年出てきたホラー作家の中で最も“あぶない奴”と言われているのが、この小林泰三(こばやし やすみ)である。「玩具修理者」や「兆(きざし)」「本」「C市」といった諸作でその異常ぶりは遺憾なく発揮されているが、このSF長編は、往年のヒーロー物TV…

「ハッピーフライト」

矢口史靖監督の成長に驚かされる一本。彼がデビューした時に感じたのは、その“いじけたオタク”のような自意識過剰な性行だ。つまりは“自分では面白いと思うネタなんだけど、一般ウケしないかもしれない”といった強迫観念を抱きつつ、それでもやらずには済ま…

「きけ、わだつみの声」

95年作品。戦没学生の手記に題材を取った「きけわだつみの声」(50年)の再映画化だが、内容は前作とまったく異なっている(らしい)。現代の国立競技場でラグビーの練習をしていた大学生(緒方直人)が、戦時中に学徒動員で出征した当時のラグビー部員…

「ラブファイト」

脇役の一人であるはずの大沢たかおが製作総指揮まで担当していることが最大の敗因だ。小さい頃から弱虫で、今もイジメられてばかりの男子高校生。彼の“守護神”みたいになっている、幼なじみでケンカのやたら強い女の子。そして彼を憎からず感じている思い込…

映画産業を助成すべきだ。

一時期、韓国映画の総体的なレベルが日本映画をも凌ぐようになった・・・・と思われたのは、政府が映画産業を大々的に助成しているからである。私は日本もそうするべきだと思う。 ・・・・こんなことを書くと決まって返ってくるのが「それは芸術表現活動に対…

「その土曜日、7時58分」

(原題:Before the Devil Knows You're Dead)これは、全盛時のシドニー・ルメット監督の切れ味鋭いタッチが戻ってきたような快作だ。何より登場人物に対する容赦のない内面描写が素晴らしい。 土曜日の朝、ニューヨーク郊外の小さな宝石店が強盗に入られる…

「ベイビー・オブ・マコン」

(原題:The Baby of Macon )93年作品。イギリスの異能監督ピーター・グリーナウェイによる本作の舞台は17世紀イタリアだ。バロック式の大劇場で17歳のメディチ家の末裔(ジョナサン・レイシー)が最前列に陣取っている。出し物は「ベイビー・オブ・…