元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「ニーチェの馬」

(原題:A torinoi lo)あまりにも図式的な展開で、愉快ならざる気分になってくる。19世紀末の哲学者ニーチェによる“神は死んだ”という名台詞を元にして、聖書にある“七日間に渡る天地創造”を逆パターンにして綴っただけの話。さらにニーチェが正気を失う…

「ピストルオペラ」

2001年作品。謎の殺し屋組織ギルドの番付ナンバー2が殺されたことにより、組んずほぐれつのバトルが勃発。鈴木清順監督が自作「殺しの烙印」を元に、さらにカッ飛んだ世界を演出する。 実に面白い。伊藤和典によるトリッキィな脚本を、さらに引っかき回…

「コミタス」

(原題:Komitas )88年作品。19世紀に実在したアルメニアの修道士兼作曲家コミタス・ヴァルダペットを描く作品。かなりの才能を持ちながら1915年のトルコによるアルメニア侵略戦争の際、作曲活動を断念。余生を精神病院で過ごしたコミタスの生涯を…

「幸せへのキセキ」

(原題:WE BOUGHT A ZOO )何とも“ぬるい”映画である。各モチーフの上っ面を撫でただけであり、ストーリー展開は行き当たりばったり。何ら突っ込んだ描写や骨太のテーマの表明も成されておらず、この程度で“感動作”を標榜しないでもらいたい。 コラムニスト…

「堕天使のパスポート」

(原題:Dirty Pretty Things )2002年作品。ロンドンの下町に住む、パスポートとアメリカ行きの切符を手に入れるため危険な選択をする若い移民の女と、彼女を守る男性の姿を描く。 ロンドンの片隅に住む異邦人たちを描くスティーヴン・フリアーズ監督作…

McIntoshのアンプを試聴した。

先日、市内の某家電量販店でオーディオシステムの試聴会が行われていたので足を運んでみた。米国McIntosh社の新作アンプ類のデモンストレーションであり、音量調節や入力切り替えを司るプリアンプにC48、スピーカーを駆動するためのメインアンプ…

「ウォーターボーイズ」

2001年作品。矢口史靖監督の出世作だが、それまで私は彼を全然信用していなかった。デビュー作「裸足のピクニック」(93年)は愚作と言うしかなく、続く「ひみつの花園」(97年)も寒々としたギャグが並んでいるだけのカスだったし、第三作「アドレ…

「ソウル・サーファー」

(原題:SOUL SURFER )良く出来たアイドル映画だと思う。ハワイに住むプロ・サーファー志望の少女ベサニーがサメに片腕を奪われてしまうが、絶望を乗り越えて奮起し大舞台で活躍するという、絵に描いたようなスポ根もの。よく考えてみると、ストーリー面で…

「明日を夢見て」

(原題:L'Uomo Delle Stelle)95年作品。 戦後間もないシチリア島にやって来たジョー(セルジォ・カステリット)は、映画の新人オーディションと称して島民から手数料を取ってカメラの前でテストをさせる。もちろん詐欺で、カメラにフィルムは入っておら…

「少林サッカー」

(原題:少林足球)2001年作品。少林拳の達人たちがサッカーチームを結成し、強豪悪徳チームと死闘を演じるという活劇編。当時は香港映画史上No.1のヒットを記録した話題作だ。 で、私自身の感想はというと、期待が大きすぎたのか、はたまた封切り時…

「ミッドナイト・イン・パリ」

(原題:MIDNIGHT IN PARIS )ウディ・アレンの語り口が冴える快作だ。洒落ていて、笑いも取れて、幕切れは感慨深いという、ソフィスティケイトされた都会派コメディの見本みたいなシャシンである。しかも今回はSFファンタジー(?)みたいな御膳立てが成…

「阿弥陀堂だより」

2002年作品。これはひょっとして、浄土宗のPR映画ではないのか。舞台が阿弥陀仏への信仰が盛んな長野県の山村で、浄土宗の教義に則っていると思われる妙に達観したセリフやモノローグが頻繁に挿入される。そもそも、都会生活に疲れた中年夫婦が山里に…

「ブレイド2」

(原題:Blade II)2002年作品。人間とヴァンパイアの血を受け継ぐ吸血鬼ハンターの活躍を描く、ホラーシリーズの第二弾。ドニー・イェンは出てきて早々に退場してしまうけど、ハリウッド製マーシャル・アーツものとしてはそこそこ面白い。 前作の“どこ…

「エネミー・ライン」

(原題:Behind Enemy Lines )2001年作品。内戦時のボスニアに不時着した米軍兵士の必死の脱出を描く、ジョン・ムーア監督作品。 セルビア軍は常に“悪”なのだ。NATOの幹部は偽りの和平を演出したいだけの腑抜けた奴らだ。対して我がアメリカだけが“…

中山七里「連続殺人鬼カエル男」

最近読んだ国産ミステリーの中では一番面白い。二転三転する筋書きもさることながら、その“ドンデン返し”の幅が単にロジカルな次元を超えて、読み手の“モラル”にまで踏み込んでくるところが巧妙である。 埼玉県の地方都市で起こった連続殺人事件。いずれも手…

「風にそよぐ草」

(原題:Les herbes folles )妙な映画だが、捨てがたい魅力はある。正直言って私はアラン・レネ監督の作品を観たことはない。だからこの映画にどれだけ彼の作家性が反映しているのかは分からないが、独特の味わいを持ったシャシンであることは確かだ。 通常…

「カンダハール」

(原題:Safar E Gandehar)2001年作品。政情不安なアフガニスタンからカナダに亡命した女性ジャーナリストが、祖国に残した妹を救うため、アフガンに舞い戻る。そこで彼女は神学校から追い出された少年や住民の診療にあたるアメリカ人らと知り合うと共…