元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ハーラン・エリスン「世界の中心で愛を叫んだけもの」

米SF界の鬼才と言われたエリスンの、ヒューゴー賞受賞作のタイトル作を含む短編集で、60年代に書かれた作品を中心に編纂されている。発表当時はその暴力的なタッチが話題になったというが、残念ながら今読むと古臭い。 しかも、基本的にワン・アイデアで…

「日曜日のピュ」

(英題:Sunday's Children )92年作品。スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督の両親を描いた「愛の風景」(ビレ・アウグスト監督作 カンヌ映画祭大賞受賞)の続編だ。今回は1920年代を舞台に、8歳のイングマールと厳格な父親とのふれあい…

「チェイサー」

(英題:The Chaser)着想の面白さに引き込まれるサスペンス劇だ。韓国社会を震撼させた連続猟奇殺人事件。若いシリアル・キラーは映画の序盤で呆気なく警察に拘束され、しかも自分がやったと自供している。だが、肝心の“犯行場所”が不明のままだ。端的に言…

「ZONBIO 死霊のしたたり」

(原題:Re-Animator )85年アメリカ映画。舞台出身のスチュアート・ゴードン監督によるホラー編。原作がなんとH・P・ラブクラフトの「死体蘇生人ハーバート・ウェスト」。チューリヒの大学で死体を生き返らせる薬を発明したウェストだが、蘇生した死体…

「スラムドッグ$ミリオネア」

(原題:Slumdog Millionaire )確かに面白かったが、この映画がアカデミー賞を8部門も受賞するほどアメリカで評価された背景の方が興味深い。アカデミー協会員に直接理由を聞くわけにはいかないので一応憶測になるのだが、おそらく主人公がささやかな夢を…

「トイレの花子さん」

95年作品。松竹が東宝のヒットシリーズになる「学校の怪談」に対抗して作ったような、学校の怪異談である。監督は「きらきらひかる」などの松岡錠司。小学校周辺で起きる連続児童殺人事件。3年生のなつみ(前田愛)のクラスで行われたコックリさんの占い…

「切腹」

昭和37年松竹作品。小林正樹監督の代表作と言われているものだが、私は未見だった。今回のリバイバル上映で初めて対峙することになる。感想だが、これは実にヴォルテージの高いホラー映画だと思った。しかも、場当たり的な怖さではなく、かなり深いところ…

「ワイルド・イースト」

(原題:Dikiy Vostok)93年製作のカザフスタン映画。監督は「僕の無事を祈ってくれ」などのラシド・ヌグマノフだが、本作は日本では封切られていない。なお、私は94年の東京国際映画祭で観ている。 舞台は現代とも近未来ともつかない時代、天山山脈東部…

「グラン・トリノ」

(原題:GRAN TORINO )どうもクリント・イーストウッドの監督作は評価できない。褒める者も多い本作だが、私はイーストウッド扮する主人公が単にヒーローぶっているようにしか思えないのだ。現役時代はフォードの工場で働き、朝鮮戦争にも従軍したことがあ…

「草原とボタン」

(原題:War of the Buttons)95年作品。ルイ・ペルゴーの小説「ボタン戦争」の2度目の映画化で、舞台を60年代のアイルランドの片田舎に移し、ケンカに明け暮れる小学生たちの生態を描く。 アイルランド南西部コーク地方の隣合った二つの村の子供たちは…

「おっぱいバレー」

監督の羽住英一郎がテレビ・ディレクター出身であるためか、いまひとつ画面が弾まない。何となく小さくまとまってしまい、映画ならではの高揚感に欠ける。これがテレビドラマだったら許せるかもしれないが、ワイド・スクリーンでは辛いものがある。 中学校の…

「ヴァイブレータ」

2003年作品。分裂症気味の女性ルポライターと孤独なトラック運転手との“道連れの旅”を描いた赤坂真理の同名小説を廣木隆一がメガホンを取って映画化。主演の寺島しのぶの大胆演技も相まって世評はかなり高かったが、私はそれほどのシャシンとは思わない…

「バーン・アフター・リーディング」

(原題:Burn After Reading)少なくとも退屈はしなかったが、あまり評価は出来ない。これはコーエン兄弟の旧作「ファーゴ」の焼き直しに「ノーカントリー」のテイストを織り交ぜただけのシャシンではないのか。もちろんネタの二次使用だろうが何だろうが前…

「夏時間の大人たち」

97年作品。「下妻物語」や「パコと魔法の絵本」などで知られる“映像派”中島哲也監督のデビュー作である。“ボクは将来オッパイの大きな女の子と結婚したいです。たとえばC.Cガールズの右から2番目のコのような・・・・”という小学4年生のたかし(日高…

「ミルク」

(原題:MILK)とても感銘を受けた。アメリカで初めてゲイを公表しながら公職に就いた権利活動家、ハーヴィー・ミルクの半生を描くドラマだが、監督のガス・バン・サント自身が同性愛者ということもあり、切迫度はかなり高い。つまり、ゲイをマイノリティの…

「M(エム)・バタフライ」

(原題:M Butterfly )93年作品。デイヴィッド・クローネンバーグ監督もミョーな映画を撮ったものである。“マスター・オブ・ホラー”の異名をとる彼だが、これは柄にも合わない大失敗作だと言ってしまおう。 1964年。北京のフランス大使館に勤務する副…

「ある公爵夫人の生涯」

(原題:THE DUCHESS )アカデミー賞を獲得した衣装デザインが要チェックだ。18世紀後半の英国の貴族社会で実際に着られていたと思われる、絢爛豪華なコスチュームの数々。特にヒロイン役のキーラ・ナイトレイが身につけるドレスは呆れるほど手が込んでい…

柳川に行ってきた。

連休の一日、柳川市(福岡県)に出かけて川下りを楽しんできた。私は実家も福岡県内にあり、一時期を除いてずっと九州に住んでいるのだが、柳川市内を縦横に走る堀割を小舟で巡る名物の“川下り”には子供の時以来行ったことがなかったのだ。今回は嫁御の要望…

「シリアの花嫁」

(英題:The Syrian Bride)感服すべき秀作だ。第三次中東戦争により“無国籍状態”になったイスラエル占領下の村に住むモナは、シリアの男性の家に嫁ぐことになった。しかし、国境線を越えると国籍がシリアに確定してしまい、元の村には戻ることが出来ない。…

「チック・タック」

95年のアジアフォーカス福岡映画祭で観たイラン映画。舞台はテヘランの下町。祖父の家から小学校に通うサイードとクラスメートのハッサンは親友同士。二人は成績優秀だが、担任の先生からご褒美の腕時計をもらったのはハッサンの方だった。実は彼の父親の…

「今度の日曜日に」

肌触りは良いが、いまいち煮え切らない映画だ。韓国から映像の勉強のため長野県の芸術系の大学に留学した憧れの先輩を追って、同じ大学に進学したヒロイン。しかし先輩は自分と入れ違いに帰国しており、しかもすでに彼の心は彼女から離れてしまったようなの…

「パーフェクトワールド」

(原題:A Perfect World )93年作品。クリント・イーストウッドの監督作って本当に面白くない。おそらく彼は映画を撮る前に自分の頭の中で作品を完成させてしまうのだと思う。興味ある題材を見つけたとき、彼はとことん映画的アプローチを試みるのだろう…