元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

映画の感想(は行)

新着順 人気順

「ポストマン・ブルース」

1997年作品。公開時にはあまり話題にならなかったようだが、これは面白い。輪郭は“平凡な主人公が偶然が重なりトラブルに巻き込まれていく”というアクションコメディのルーティンなのだが、脚本のツカみの上手さと、止まることを知らない疾走感と、キャ…

「フィッシャー・キング」

(原題:THE FISHER KING )1991年作品。ふとしたハズミで言ってしまった不用意なジョークが大事件に発展し、職を追われた元人気DJジャック(ジェフ・ブリッジス)と、不幸な過去を打ち消しホームレスの道を選んだ元大学教授パリー(ロビン・ウィリア…

「ビューティフル・マインド」

(原題:A BEAUTIFUL MIND)2001年作品。実在の天才数学者、ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニアをモデルにした主人公の数奇な運命を描く、第74回米アカデミー賞作品賞の受賞作である。 監督はロン・ハワードだが、この頃の彼は実に達者な演出家だ…

「ハリーの災難」

(原題:THE TROUBLE WITH HARRY)1955年作品。アルフレッド・ヒッチコックが製作・監督した映画の中では、たぶん随一の珍作であり怪作だろう。もちろん、どんなに変化球を効かせたシャシンであろうと鑑賞後の満足度が高ければ文句は無いが、困ったこと…

「フェリーニのアマルコルド」

(原題:AMARCORD)1974年作品。私はイタリアの巨匠と言われるフェデリコ・フェリーニ監督の映画をすべて観たわけではないが、一応この映画はフェリーニの代表作とされているものだ。世評はかなり高く、その年のキネマ旬報誌のベストテンでは一位。第4…

「張込み」

1958年松竹作品。原作者の松本清張が自身の作品の映画化で“満足出来る”と評価したのは、「黒い画集 あるサラリーマンの証言」(1960年)と「砂の器」(1974年)、そしてこの「張込み」の3本だと言われている。そのことを裏付けるように、見応え…

「箱の中の羊」

観終わって“よくこれでカンヌ国際映画祭に出品できたな”と思った。それほどこのシャシンは酷い。作品世界の練り上げがまるで足りておらず、ストーリーも完全に整合性を欠いている。映画のコンセプト自体が失当であり、普通ならば企画段階でボツになるような…

「破線のマリス」

2000年作品。マスコミのあり方を鋭く描く野沢尚による江戸川乱歩賞受賞作の映画化。監督が寡作で力量がハッキリしない井坂聰なので期待していなかったが、なかなか見応えのある作品だった。まあ、原作の面白さがモノを言っているのだろうが、本作の脚色…

「人はなぜラブレターを書くのか」

これはとても評価出来るような内容ではなく、居心地の悪さを感じながら約2時間を過ごしてしまった。実話を元にしているらしいが、本作のモチーフの大半が実話に準拠しているわけではない。ハッキリ言ってしまえば、昨今の邦画のトレンド(?)の一つである“…

「ブルームーン」

(原題:BLUE MOON )面白く観ること出来た。リチャード・リンクレイター監督の作品に感心したのは、2003年製作の「スクール・オブ・ロック」以来である。とはいえ、万人ウケするような内容ではない。この、舞台劇を思わせる多分にスノッブな作りは、平…

「ブロンクス物語 愛につつまれた街」

(原題:A BRONX TALE)1994年作品。ロバート・デ・ニーロの監督デビュー作だ。どちらかというと、それまでエキセントリックな役柄が多かったデ・ニーロだが、演出に回るとオーソドックスに徹しているのには驚いた。生々しい“作家性”など微塵も見せず、…

「ハムネット」

(原題:HAMNET)第98回米アカデミー賞の作品賞は、この映画に与えられるべきだった。少なくとも「ワン・バトル・アフター・アナザー」などという凡作とは完全にレベルが違う。ここ何年かの外国映画の中でも、確実にマスターピースとして記憶されるべき内…

「パーフェクト・ルームメイト」

(原題:ROOMMATES )2026年4月よりNetflixから配信。序盤はいかにもお手軽な学園コメディの体裁で、観る作品を間違えたかと思ったが(苦笑)、映画が進むにつれて捻りの利いたモチーフが次々と繰り出され、結果として最後まで楽しむことがてき…

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」

(原題:PROJECT HAIL MARY )鑑賞後の感想は、まず“(無駄に)長いなぁ”ということだった。アンディ・ウィアーによる原作は未読だが、かなりの長編らしい。それをそのまま映画化するのは無理なので適当なところで端折ったのだろうが、それが却って説明不足…

「慕情」

(原題:LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING )1955年作品。ストーリー自体は大したことはない。おそらく、その頃にはよく作られていた恋愛映画のルーティンを超えるものではないと思う。ただし、主演女優の魅力と舞台設定、そして時代背景は捨てがたいも…

「ブゴニア」

(原題:BUGONIA )本来ならば観る予定の無かった映画である。何しろ、監督が「女王陛下のお気に入り」(2018年)や「哀れなるものたち」(2023年)などで知られるヨルゴス・ランティモスだ。これらの映画はまったく面白くなかったので、今回のこの…

「北京好日」

(原題:FOR FUN 找楽)92年作品。監督を務めたのは、チェン・カイコー(陳凱歌)やチャン・イーモウ(張藝謀)ら“中国第五世代”の作家よりさらに若い、女流のニン・イン(寧瀛)。興味深いのは、彼女より年上の作家たちが持つ文化大革命などに対する欝屈…

「北京ヴァイオリン」

(英題:TOGETHER)2002年作品。ハリウッドでエロティック・サスペンスの「キリング・ミー・ソフトリー」(2002年)を手掛けた後、中国に戻ったチェン・カイコー(陳凱歌)が撮ったのは、音楽の才能に恵まれた息子とお人好しの父との固い絆を描くと…

「万事快調 オール・グリーンズ」

面白く観た。とことん後ろ向きの青春ドラマながら、フッ切れたような潔さとユーモアがある。登場人物たちの所業はロクなものではなく、実際にこれをやってしまうと一生を棒に振るようなシロモノながら、どこか“チャンスさえあれば自分も加担してみたかった。…

「ポカホンタス」

(原題:POCAHONTAS)95年作品。17世紀初頭のヴァージニア州を舞台に描く先住民の娘ポカホンタスと、新大陸征服の野望を抱くイギリス人探検家ジョン・スミスとの人種と文化を越えたラブストーリー。ディズニー33本目の長編アニメーションで、舞台がア…

「星と月は天の穴」

荒井晴彦という映像作家は良い映画を手掛けたこともあるが、フィルモグラフィの大半は概ね低調だ。本作も同様で、何から何まで要領を得ない建て付けである。吉行淳之介の同名小説(私は未読)の映画化ながら、原作が発表されたのは1966年、対してこの映…

「ペンギン・レッスン」

(原題:THE PENGUIN LESSONS )ポスターや惹句だけを見れば、誰だって“ペンギンと飼い主との触れ合いを描く、心温まる動物映画”といったイメージを抱くだろうが、実際観てみると様子がかなり違う。ペンギンの登場は単なる“ネタ”に過ぎず、主に描かれるのは…

「ハード・トゥルース 母の日に願うこと」

(原題:HARD TRUTHS )とても感銘を受けた。おそらくは今年度の個人的ベストテンにランクインすることになるだろう。しかしながら、本作は観る者を選ぶ。監督が「秘密と嘘」(96年)などで知られるマイク・リーであることを承知していれば、この映画の構…

「平場の月」

話にならない出来だ。まさか、映画館で民放の夜9時か10時あたりにオンエアしているようなドラマを見せられるとは思っていなかった(いや、テレビドラマの方がいくらかマシかもしれない)。本気で“カネ返せ!”と叫びたくなる(笑)。しかし、驚いたことに…

「裸の拍車」

(原題:THE NAKED SPUR)1953年作品。タイトルにある“拍車”というのは馬具の一種で、騎手がブーツのかかとに装着して馬の腹部を刺激して前進を促すためのツールであることを、恥ずかしながら今回初めて知った。 それはさておき、私は往時のハリウッド製…

「プレデター:バッドランド」

(原題:PREDATOR: BADLANDS)正直、あまり期待していなかったが、実際観てみると本当に面白い。87年の第一作から基本“人類の敵”という設定にあったプレデターを、何と主人公にして物語が展開するというコンセプトはアイデア賞ものだ。ストーリーもよく練…

「爆弾」

呉勝浩による原作を実は過去に読んでいたことを、映画館に足を運ぶ直前まで失念していた(笑)。面白い小説ならば忘れるはずが無いのだが、長らく記憶から消えていたのは、それほどの内容ではなかったということだろう。この映画版も同様で、取り敢えずは退…

「バスティオン36」

(原題:BASTION 36)2025年2月よりNetflixから配信されたフランス製のフィルム・ノワールで、確かにそれらしい雰囲気は出ている。また、各国で高再生数を記録しているらしい。しかし、面白くはない。シナリオが精査されておらず話が分かりにく…

「ハウス・オブ・ダイナマイト」

(原題:A HOUSE OF DYNAMITE )2025年10月よりNetflixから配信が開始されているが、その前に一部劇場で先行上映されており、私はそれを鑑賞した。ポリティカルスリラーとしては構成に難があるため諸手を挙げての高評価は差し控えたいが、それ…

「ブラックバッグ」

(原題:BLACK BAG )94分という短い尺であるにも関わらず、観ている間は睡魔との戦いに終始した(笑)。古い表現で恐縮だが、まさに“ヤマなし、オチなし、意味なし”の状況をそのままトレースしているような内容である。もっとも、この監督らしいスタイリ…