元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「キャラバン」

(原題:Caravan )99年作品。舞台はチベットに近い北ネパールのドルポ地方。厳しい自然の中で暮らす住人たちは、冬場は食料を調達するためヤクの群れと共にキャラバン隊を組み、山岳地帯を分け入って別の村まで行かなくてはならない。困難な道程に加え、…

「キング・アーサー」

(原題:King Arthur )2004年作品。5世紀のイギリスを舞台に、伝説の英雄アーサー王と“円卓の騎士たち”の活躍を描く。アーサー王は実在した人物かどうかは不明だが、同じく彼を主人公として扱ったジョン・ブアマンの「エクスカリバー」(81年)とは…

「TIME タイム」

(原題:In Time )つまらない映画だ。物語の設定だけは何やら面白そうだが、それが成立する前提条件が十分に語られていないばかりか、各モチーフも掘り下げ不足。加えて、芸のないストーリー展開が観る者を脱力させる。結局は何のために作ったのか分からな…

「LOVERS」

(原題:十面埋伏)2004年作品。快作として名高い「HERO」(2003年)に続く張藝謀監督による武侠活劇巨編の第二弾だが、前作より大幅に落ちる出来だ。 脚本が練られていないのが致命的で、9世紀中頃の中国を舞台にした反政府組織と官憲側とのバ…

「天国から来たチャンピオン」

(原題:Heaven Can Wait )78年作品。後に緩いドラマ(?)を連発するエレイン・メイが脚本に参加しているせいかキレ味やタイト感は不足していると思う向きもあるだろうが、これはこれでよく出来たファンタジー編である。41年製作の「幽霊紐育を歩く」…

「ドラゴン・タトゥーの女」

(原題:THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO )世間の評判は良いらしいが、正直言って私は出来が悪いと思う。何より話自体が大して面白くない。加えて作劇がヘタである。原作はベストセラーの大長編だが(私は未読)、約2時間半の上映時間に収める必要がある…

アナログレコードの優秀録音盤(その2)。

保有しているアナログレコードの中で録音が優秀なものを紹介する。今回はなんと、アイドル歌謡三題(笑)。まずは松田聖子のアルバム「風立ちぬ」で、81年にリリースされている。なお、このディスクは通常のLP盤よりも重量が大きい“MASTER SOU…

「ムーラン・ルージュ」

(原題:MOULIN ROUGE)2001年作品。19世紀末のパリを舞台に、ナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」の高級娼婦と若い作家との悲恋を描くミュージカル編。ユアン・マクレガーとニコール・キッドマンという有名どころが主演で、実際に吹き替え無しで歌わ…

これからはブログの更新が不定期になります。

当ブログが発足して6年以上になりますが、今までは“原則として毎日更新。都合により休む場合は、ブログ上に周知した後、一週間単位での休止”というスタンスを取ってたところです。しかし、今年(2012年)から個人的な事情により新作映画を追いかけるこ…

「J・エドガー」

(原題:J.EDGAR )いかにもイーストウッド監督らしい“生ぬるい”出来だが、大して腹も立たずにエンドロールを迎えられるのは、取り上げられた題材が実に興味深いからだ。 FBI初代長官のジョン・エドガー・フーバーは謎の多い人物だった。近代的な科学捜査…

「赤い橋の下のぬるい水」

2001年作品。失業中の中年男と、セックスをしないと体内に水が溜まり、よからぬ行為に及ぶという不思議な体質の女とのラヴ・ファンタジー。辺見庸の同名小説を映画化したのは今村昌平で、この名監督の最後期の作品だ。 とにかく、清水美砂扮する超絶潮吹…

「人生劇場 飛車角と吉良常」

68年製作の内田吐夢監督作品。大正時代を舞台にした任侠もので、尾崎士郎の小説「人生劇場」からの「残侠篇」の映画化である。ここでは上海帰りの吉良常を狂言回し的な役柄に振り、飛車角とおとよ、そして宮川との哀しい三角関係を内田監督らしい粘り強い…

MORDANT-SHORTのスピーカーを聴いてみた。

英国MORDANT-SHORT社のスピーカーを聴くことが出来たのでリポートしたい。同社は1967年設立。歴史の長いメーカーではあるが、日本に正式輸入されるようになったのは最近のことだ。聴いたのは同社の上級シリーズのひとつであるPerfor…

「サラの鍵」

(原題:Elle s'appelait Sarah )編集の上手さに唸らされる映画である。主に描かれているのは先の大戦でのユダヤ人迫害だ。どう描いても暗くて悲しい印象を受けるテーマであり、本作も随分と悲惨な話をモチーフとして扱っているが、技巧の非凡さは題材の重…

「シュレック」

(原題:Shrek )2001年作品。山奥の沼のそばで孤独に暮らす怪物シュレックと、彼の前に現われたロバのドンキーが、ドラゴンの城に囚われているフィオナ姫の争奪戦に巻き込まれて冒険を繰り広げるCGアニメーション。興業面では好調だったらしく、シリ…

「しあわせのパン」

近頃ハヤリの“癒し系映画”の類だと思って期待していなかったが、最後まであまり気分を害さずに観ることが出来た。これはひとえに映像処理の非凡さゆえであろう。 デジカムで撮ったと思しき平面的で奥行きのない画調。しかしパステルカラーを主体とした全体的…