2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧
これは面白いな。人気漫画の映画化ということで、いかにもライトな建て付けのシャシンのようだが、実際観てみると良く出来たヒューマンコメディであることが分かる。各キャラクターは“立って”いるし、舞台設定も非凡。やっぱり山下敦弘監督は、軽佻浮薄なだ…
ヨルゴス・ランティモス監督による映画化作品が公開されているが、劇場に足を運ぶ前に、原作小説に目を通してみた。一読して、これはなかなかの曲者だと感じる。内容もさることながら、よくこの小説を上手い具合に翻訳して日本で出版できたものだと感心する…
(原題:AQUAMAN AND THE LOST KINGDOM)前作(2018年)に比べると地上での活劇場面が少なく、その点は不満なのだが全体的には及第点に達していると思った。何より上映時間が124分とコンパクトなのが良い。何だそんなことかと言われそうだが、アメコ…
(原題:THE TAKEOVER)2022年11月よりNetflixから配信されたオランダ製のハイテク・スリラー。取り立てて持ち上げるようなシャシンではないが、退屈せずにラストまで付き合える。上映時間も88分とコンパクトで丁度良い。そして注目すべきは…
これは2023年に観た山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」と裏表になるような作品であり、現時点で放映中のNHKの朝ドラ「ブギウギ」の“ダークな別エピソード”とも言える内容だ。そして、世界のあちこちで燃え上がっている戦火に脚本も担当した塚本晋也が触…
(原題:DANTON)82年ポーランド=フランス合作。先日観たリドリー・スコット監督作「ナポレオン」は低調な出来だったが、そこで思い出したのが近い時代を描いたこの映画。主人公は言うまでもなく、フランス革命で活躍した代表的な政治家ジョルジュ・ダン…
(原題:LIFT)2024年1月からNetflixで配信。監督が「ワイルド・スピード ICE BREAK」(2017年)や「メン・イン・ブラック:インターナショナル」(2019年)などのF・ゲイリー・グレイなので、本作もライトな活劇編であること…
(原題:6/45)これはダメだ。全然面白くない。ただし本国の韓国およびベトナムでスマッシュヒットを記録し、日本でも評判が良いようだ。今のところ、ハッキリとした否定的評価は見当たらない。これは、このコメディ映画のノリが肌に合わなかったのは私ぐら…
(原題:MAESTRO )2023年12月からNetflixで配信されているが、私は映画館で鑑賞した。往年の世界的音楽家レナード・バーンスタインと妻で舞台女優のフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタインとの関係を描く伝記映画で、題材はかな…
1967年生まれの台湾系アメリカ人SF作家、テッド・チャンが2002年に発表した短編集。本書を読んだ理由は、表題作「あなたの人生の物語」がドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画「メッセージ」(2016年)の原作だと聞いたからだ。この映画は封切り当…
(英題:MY HEART PUPPY)前半は体裁として多くの韓国製テレビドラマと同等のレベルかと思わせる。つまりは微温的でキレもコクもなく、ただ漫然と上映時間が過ぎていくという感じで、新年早々ハズレくじを引いたのではないかと気落ちしたものだ。しかし、中…
(原題:LUTHER: THE FALLEN SUN)2023年3月からNetflixより配信。イギリスの人気テレビドラマ「刑事ジョン・ルーサー」シリーズの映画化だということだが、私は元ネタを全然知らないのでキャラクター設定がよく掴めない。ただし、そこまで“一見…
(原題:KUOLLEET LEHDET )フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督の5年ぶりの“復帰作”ということで、斯様に長いインターバルを経て大丈夫なのかと観る前は少し心配だったが、実際に接してみるとそれは杞憂だった。それどころか、彼のフィルモグラフィ…
(原題:LEAVE THE WORLD BEHIND)2023年12月からNetflixより配信。メッセージ性の強い映画であることは分かる。先の読めない作劇で退屈させないのも評価できよう。しかし、終わってみれば図式的な建て付けが目立ち、あまり愉快になれない。特…
(原題:FIRST COW )困った。どこが良いのかさっぱり分からない。ただし世評は高い。第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の出品作であり、第86回ニューヨーク映画批評家協会賞をはじめ少なくない数のアワードを獲得している。我が国でもホメ…
(原題:THE BLACK BOOK)2023年9月よりNetflixから配信されたスリラー映画。本作の一番の注目ポイントは、出来映えよりも製作国である。何とこの映画、ナイジェリアで作られているのだ。この国の映画を観るのは初めてで、事実それまで味わった…
興味深いドキュメンタリー映画だ。一応“主人公”は選挙取材歴25年のフリーランスライターである畠山理仁なのだが、それよりも彼が取材対象にしている選挙戦の様相と候補者たちの主義主張の方が断然面白い。もちろん選挙というのは国民の参政権の主体になる…