元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ブリッジ・オブ・スパイ」

(原題:BRIDGE OF SPIES )呆れるほどつまらない。もとよりスピルバーグに登場人物の内面なんか描けるわけもないが、コーエン兄弟が脚本担当ということで少しはカバーされているのかと思っていた。しかしそれは大間違いだったのだ。とにかく、ドラマとして…

「アルカトラズからの脱出」

(原題:Escape from Alcatraz)79年作品。娯楽活劇の名手であったドン・シーゲル監督の代表作であるばかりではなく、演技者としてのクリント・イーストウッドの大きな実績のひとつでもある。決して観て損は無い快作だ。 サンフランシスコ湾内のアルカトラ…

「アンジェリカの微笑み」

(原題:O ESTRANHO CASO DE ANGELICA )退屈な映画だ。ほめている評論家は多く、2015年のキネマ旬報ベスト・テン洋画部門の第3位にランクインしているが、正直言ってどこが良いのか分からない。筋書きも各キャストの演技も全然ピンと来ず、上映中は眠…

「ハンガー」

(原題:The Hunger)83年イギリス作品。先日惜しまれつつも世を去ったデイヴィッド・ボウイは、映画にも何本か出演していた。本作はその中でもカルト的な人気を博しており、今観てもその独特の魅力は失われていないと思う。 何千年も生きてきた女ヴァンパ…

「クリード チャンプを継ぐ男」

(原題:CREED )長年「ロッキー」シリーズに付き合ってきた手練れの映画ファンならば、文句なく評価するであろう快作だ。ただし正直言ってこのシリーズは全て出来が良かったわけではない。オスカーを獲得した第一作こそ幅広い支持を集めたが、その後は無理…

「ホワイト・バッジ」

(英題:WHITE BADGE )92年作品。第5回東京国際映画祭でグランプリを受賞した韓国映画。舞台は1979年のソウル。かつてベトナム戦争に参加し、戦記ものを執筆中の主人公は、ある日かつての戦友に再会する。ベトナムの後遺症で日常生活に適応できない…

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」

(原題:STAR WARS:THE FORCE AWAKENS )大して面白くもないが、欠点をあれこれと指摘するのも意味が無いように思う。この作品自体がひとつの“アトラクション”であり、映画としての出来を批評するようなシロモノではない。製作元がディズニーになったことも…

「アトランティス」

(原題:ATLANTIS)91年フランス作品。「グレート・ブルー」(88年)「ニキータ」(90年)のリュック・ベッソン監督が送る海洋ドキュメンタリー作品。ベッソンは今は“終わってしまった”作家だが、この頃は快作を連発していた。このようなマニアック(…

「ベテラン」

(英題:Veteran )映画の出来よりも、この作品が韓国で歴代3位の大ヒットを記録したという、その背景の方が興味深い。映画の質と興行収入の多寡が一致するとは限らないことは周知の事実であり、ヒットするには何らかの“イベント性”が必要になってくるが、…

「四月の魚 ポワソンダブリル」

86年作品。大林宣彦の監督作は出来不出来の差が途轍もなく大きいが、本作はダメな部類に入る。しかしながら、単なる駄作として片付けるには、妙な存在感がありすぎる。つまりは“珍作”ということになるのだろうか。完成から公開まで1年半もかかったのは、…

「禁じられた歌声」

(原題:TIMBUKTU)少しも面白くない。1時間40分ほどの上映時間だが、とてつもなく長く感じられ、眠気さえ催してしまう。世評は高く、2015年のセザール賞でも作品賞をはじめ7部門を獲得したらしいが、そんなことが信じられないほど低調な展開に終始…

「四万十川」

91年作品。笹山久三原作の自伝的小説「四万十川」の映画化である。監督は久しぶりの恩地日出夫で、時は高度成長を目前にした昭和30年代前半、四国・四万十川のほとりに住む主人公の篤義少年を中心に、家族の絆、愛する人たちとの別れを綴っている。 舞台…

「完全なるチェックメイト」

(原題:Pawn Sacrifice)愛嬌のない映画だ。突出した才能を持った主人公が奇行に走る様子を、何の工夫もなく漫然と追っただけ。しかも、題材がチェスという日本人にはあまり馴染みのないものであり、その点でも採点を割り引かざるを得ない。 72年。わずか…

「誘拐報道」

82年作品。一本の映画の中で“とても優れている部分”と“つまらない部分”が等間隔で並んでいるという、興味深い光景が見られる。ただしその“優れている部分”があまりにも上質なので、全体的な点数は悪くない。いずれにしろ、製作主体の意向と作家性との齟齬…

「ストレイト・アウタ・コンプトン」

(原題:STRAIGHT OUTTA COMPTON)ミュージシャンの伝記映画としては実に見応えがある(似たような題材のイーストウッドの「ジャージー・ボーイズ」みたいな腑抜けたシャシンとは大違い)。その骨太で正攻法の作劇に感心するとともに、時代性の的確な描出と…