元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「猿楽町で会いましょう」

石川瑠華扮するヒロイン像が光っている。近年では深田晃司監督の「本気のしるし」(2020年)で土村芳が演じた悪女がインパクトが強かったが、本作の石川も負けていない。こういう女に関わったら身の破滅だと思わせるようなヤバさがある。また、他のキャ…

ドラマ「全裸監督」

2019年8月より配信されたNetflixオリジナルシリーズ(全8話)。かなり評判が良いので見てみたが、すっかり楽しませてもらった。各回で演出者が違うこともあり、クォリティが平準化しているとは言い難いが、それでも題材の面白さとキャストの存…

「スペース・スウィーパーズ」

(英題:SPACE SWEEPERS)2021年2月よりNetflixより配信。題材とストーリー運びは特に目新しい点は見つからず、キャストの仕事ぶりもさほど印象に残らないのだが、韓国映画がこういうシャシンをリリースしたという事実は注目に値するだろう。エ…

「コンティニュー」

(原題:BOSS LEVEL)気軽に楽しめるB級活劇だ。基本的な設定はよくある“タイムループもの”で、決着の付け方が釈然としない部分があるが、全編に散りばめられた小ネタやモチーフは面白い。また作劇のテンポは悪くなく、ストーリーが渋滞を引き起こすことも…

「恋恋風塵」

(原題:戀戀風塵)87年作品。台湾の名匠と言われた侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の代表作の一つで、感銘度はとても高い。技巧的には精緻を極め、語り口は静かだが、内容はドラマティックで息もつかせない。そして、題名通りに“風の中の塵のように”儚…

「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」

(原題:AMAZING GRACE )資料的な価値は大いにあり、不完全な形であった元のフィルムを何とか修復したスタッフの努力には感服するが、映画として面白いかどうかは別問題だ。コンサートの様子を描いたドキュメンタリー映画は少なくないが、正直な話、本作が…

「明日の食卓」

先日観た「茜色に焼かれる」と似たパターンの映画だ。つまり、キャストは熱演だが筋書きに無理があるということ。もっとも、本作の脚本の不備は「茜色に焼かれる」に比べれば大きくはないとも言えるが、それでも普遍性と共感性には欠ける。こういうネタはリ…

「エクスティンクション 地球奪還」

(原題:EXTINCTION)2018年7月よりNetflixより配信。まあまあの出来かと思う。侵略系SFと思わせて、実は話は捻りが加えられている。そのあたりに満足出来れば悪くないシャシンだ。キャラクター配置に抜かりは無いし、活劇場面もそこそこ健闘…

「ファーザー」

(原題:THE FATHER)これは面白い。最初から最後まで、ワクワクしながらスクリーンに対峙した。もちろん、本作は深刻なテーマを扱っており、ストーリーも全然明るくはないことは分かっている。だから軽々しく面白がれるシャシンではないことは確かなのだが…

「モキシー 私たちのムーブメント」

(原題:MOXIE )2021年3月よりNetflixより配信。序盤は明朗だが軽量級の学園ドラマという印象。しかし、ドラマが進むとかなりシビアな問題を提起をしてくる。観た後には考えさせられる点もあり、印象は決して悪くない。とにかく、理不尽なこと…

「茜色に焼かれる」

キャストはいずれも熱演。特に4年ぶりの単独主演になる尾野真千子は実に気合いが入っており、観る者の緊張感を最後まで持続させるべく、縦横無尽の活躍を見せる。しかしながら、映画としてはまったく面白くない。話が絵空事の域を出ていないのだ。これはひ…

「ザ・ファイブ・ブラッズ」

(原題:DA 5 BLOODS )2020年6月よりNetflixより配信。評判が良いみたいなので観てみたが、監督がスパイク・リーだということが判明した瞬間、悪い予感がした。案の定、要領を得ない出来に終わっている。思えば、この監督の作品で水準を大きく…

「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」

(原題:MON INCONNUE)ファンタジー仕立てのラブコメという、私が最も苦手とするジャンルに属する映画ながら(笑)、巧みな切り口と語り口によって楽しく観ることが出来た。もっとも、ラストの処理は大いに不満だが、それを抜きにしても見応えのあるシャシ…

金曜ロードショーの“復活”を評価する。

今年(2021年)4月より、日本テレビ系列で金曜日午後9時より放映されていたスペシャル番組枠の「金曜ロードSHOW!」が、映画専門番組の「金曜ロードショー」に改変になった。もっとも、この新タイトルは2012年まで同局のこの時間帯に放映され…

「大綱引の恋」

いささか古風で、観ていて妙にくすぐったいところがあるが、“ご当地映画”という性格上その土地の名物は存分に散りばめられており、メインとなる題材は面白い。そして何より2020年3月に急逝した佐々部清監督の遺作で、存在感はかなりある。各キャストの…

「バーフライ」

(原題:Barfly)87年作品。ストーリーもキャラクター設定も、そして全体的な雰囲気も、とことん“後ろ向き”の映画ながら少しも嫌な気分にならない。それどころか、独特のロマンティシズムが感じられて、鑑賞後の気分は決して悪いものではない。ネガティヴ…