元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「ダム・マネー ウォール街を狙え!」

(原題:DUMB MONEY)同じく金融ネタを扱った快作「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(2015年)ほどのインパクトは無いが、これはこれで十分に楽しめるシャシンだ。しかも「マネー・ショート」みたいな専門用語のオンパレードて一般観客を置き去りにす…

「メルヴェの人生更新中!」

(原題:MERVE KULT)2023年6月よりNetflixより配信されたラブコメ編。他愛のない話で、特に高く評価出来る箇所は見当たらない。しかしながら興味深いのは、製作国がトルコだという点だ。トルコ映画といえばユルマズ・ギュネイやヌリ・ビルゲ・…

「罪と悪」

上出来の筋書きとはとても言えず、突っ込みどころは少なくないのだが、最後まで飽きずに付き合えた。これはひとえに“真面目に撮っているから”に他ならない。ここで“何だよ、映画は真面目に作られるのが当たり前じゃないか!”といった反論が来るのかもしれな…

ローマ展に行ってきた。

2024年1月5日から福岡市中央区大濠公園の福岡市美術館で開催されている“永遠の都ローマ展”に行ってきた。ローマのカピトリーノ美術館に所蔵されている古代ローマ帝国時代から近代までの作品が展示されており、国内では東京以外での開催は福岡だけだ。…

「コット、はじまりの夏」

(原題:AN CAILIN CIUIN )子供を主人公にした映画としては、傑出したクォリティだ。実際に第72回ベルリン国際映画祭で子供を題材にした映画が対象の国際ジェネレーション部門でグランプリを受賞し、第95回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートも…

「アフター すべての先に」

(原題:AFTER EVERYTHING)2024年2月よりNetflixより配信。各登場人物の関係性がいまひとつ掴めないと思って眺めていたが、実はこれシリーズ物の一作で、本作の前に数本の“前日談”が存在しているということを鑑賞後に知った(笑)。それはとも…

「カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし」

「魔女の宅急便」で知られる児童文学作家の角野栄子(1935年生まれ)の日常に、4年間にわたって密着したドキュメンタリー。興味深い部分はあるし、終盤の展開は感動的なのだが、物足りなさも残る。元ネタは2020年から2022年にかけてEテレにて…

「ミス・シャンプー」

(英題:MISS SHAMPOO)2023年12月よりNetflixから配信された台湾製の犯罪映画仕立てのラブコメ編。紹介映像は面白そうで、実際開巻20分程度は楽しめるのだが、あとは緩すぎる展開が続くばかりで大して盛り上がらないままエンドマークを迎え…

「自転車泥棒」

(原題:Ladri di Biciclette )1948年作品。第二次世界大戦後のイタリアで作られたネオレアリズモ映画の代表作。昔テレビ画面で鑑賞したような記憶があるが、今回私は福岡市総合図書館にある映像ホール“シネラ”での特集上映にて、初めてスクリーンで観…

「哀れなるものたち」

(原題:POOR THINGS )ヨルゴス・ランティモス監督の前作「女王陛下のお気に入り」(2018年)よりはマシな出来映え。少なくとも最後まで退屈せずに付き合えた。ただ、世評通りに大絶賛するわけにはいかない。とにかく、物足りなさが全編を覆う。その原…

「アルタード・ステーツ 未知への挑戦」

(原題:Altered States)80年作品。2022年に惜しくも世を去った名優ウィリアム・ハートの映画デビュー作になるSFスリラーだ。しかも、監督があのケン・ラッセル。かなりクセの強いカルト的なシャシンかと期待させたが、実際は何とも気勢の上がらな…

「違う惑星の変な恋人」

この映画の評判がけっこう良いことに、正直驚いている。個人的には、本作の中身に面白い箇所を何一つ見出せない。それ以前に、どうしようもなく作りが古いのだ。こんなタッチのシャシンは80年代から90年代前半にかけていくつも目にしたように思うし、変…

「ノーマ・レイ」

(原題:Norma Rae )79年作品。サリー・フィールドにアカデミー主演女優賞をもたらした映画で、出来自体も申し分ない。思えば70年代後半に“女性映画”のブームがあったのだが、別に明確なコンセプトに則ったムーブメントだったわけではなく、日本の関係…

「サン・セバスチャンへ、ようこそ」

(原題:RIFKIN'S FESTIVAL )ウディ・アレン監督作としては、特段目新しいことをやっているわけではない。いつも通りの展開だ。そもそも、高齢の彼に新たな路線を打ち出す余力は(まことに失礼ながら)無いと思う。ならば本作は評価に値しないのかというと…

「みなに幸あれ」

こりゃヒドい。製作サイドでは、何を考えてこのネタを映画にしようとしたのだろうか。観る側にアピールするものがほとんど無いし、もちろんヒットしそうな要素はどこにも見当たらない。聞けば“日本ホラー映画大賞”なるアワードの第一回金賞受賞作の短編を元…

「レディ・バニッシュ 暗号を歌う女」

(原題:The Lady Vanishes )79年作品。アルフレッド・ヒッチコック監督のイギリス時代の代表作「バルカン超特急」(1938年)の再映画化で、脚本はエセル・リナ・ホワイトの原作小説からジョージ・アクセルロッドが書いている。といっても、この映画…