2019-01-01から1年間の記事一覧
毎度のことだが、ここで2019年の個人的な映画ベストテンを発表したいと思う(^^;)。 日本映画の部 第一位 デイアンドナイト 第二位 メランコリック 第三位 愛がなんだ 第四位 よこがお 第五位 チワワちゃん 第六位 楽園 第七位 アルキメデスの大戦 第八位…
(原題:COUNTRY )84年作品。派手な見せ場はなく、展開も抑揚に乏しいと思われるのだが、題材は興味深い。30年以上前の映画ながら、現在のアメリカの状況を暗示しているような内容だ。また各キャストも持ち味を発揮している。 アイオワで農家を営むギル…
(原題:THE TWO POPES )見事な出来栄えで、感服した。新旧ローマ教皇の対話劇という、キリスト教には縁のない多くの観客にとって興趣に乏しい題材と思えるが、実際に接してみるとドラマの深みと厚みに圧倒される。しかも、適度なユーモアが挿入され、作劇…
まったく面白くない。それどころか、神経を逆撫でされて愉快ならざる気分になる。いくら周防正行監督がここ約10年間不調だったとはいえ、今回は題材が映画そのものであり、映画人としてはまさかこのネタでスベるはずがないと予想していたのだが、甘かった…
(原題:MARRIAGE STORY)これは“21世紀の「クレイマー、クレイマー」か。あるいは米国版の「ある結婚の風景」か”と思わせるほど、ヴォルテージが高い映画である。題名通り、題材は主人公2人の結婚生活の顛末だが、曖昧に終わらせず両者の確執を徹底的に…
(原題:SORRY WE MISSED YOU )引退宣言を撤回したケン・ローチ監督が「わたしは、ダニエル・ブレイク」(2016年)に続いて撮った本作は、前作よりも切迫度が増している。もはやダニエル・ブレイクのようなヒーロー的な振る舞いをする者はおらず、一般…
(原題:LAST EXIT TO BROOKLYN )89年作品。感情移入出来る登場人物が一人もおらず、どいつもこいつもクズばかりだ。しかし、それでも映画は面白くなることもある。作者の覚悟と開き直りが、徹底した悪の跳梁跋扈を一種のスペクタクルとして見せている。…
お手軽なB級ホラー映画であり、脚本も演出も大したことはない。しかしながら、映画ファンおよび映画関係者にとってはちょっと無視出来ないネタを取り上げており、その点は評価したい。ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭をはじめ多数の海外映画祭…
(英題:DEFAULT )力作ぞろいの昨今の韓国製社会派ドラマの中では幾分軽量級に思われるが、それでも題材の取り上げ方やキャラクター設定、そして重大な問題提起など、見逃せない点が多い。特にアジアの経済情勢に対して少しでも関心のある向きは、絶対にチ…
(原題:Hero at Large )79年作品。いかにも軟派なラブコメみたいな邦題だが、実際はそうではない。とても他愛がなくて楽しく善意に溢れた、アメリカ映画らしいヒューマン・コメディの佳作だ。公開当時は地方では二本立ての“メインではない方”という扱い…
贅沢なキャスティングにも関わらず、ほとんど機能していない。設定は絵空事で、展開は説得力を欠く。加えて余計なサブ・ストーリーが全体的な作劇を不格好なものにしてしまった。聞けば原作は舞台作品とのことだが、演劇における方法論を工夫も無く移設した…
映画好きの中には“映画を観て人生が変わった”と公言する者が少なくないらしい。でも、果たして映画に観る者の人生を左右するほどの力があるのだろうか。私自身に限って言えば、たぶん幼少期や十代の頃には“愛情”とか“正義”とかいったことに対する基本的概念…
(原題:THE IRISHMAN)久々に現れた本格的ギャング映画で、十分な手応えを感じる出来である。まさに“我々が観たかったマーティン・スコセッシ監督作品”そのものだ。しかしながら、Netflixの配信を前提にした一部劇場のみの公開、そして何より3時間…
(原題:Risky Business)83年作品。トム・クルーズのフィルモグラフィの中では、我々がよく知る彼のキャラクター(?)が確立する前の、いわば八方破れ的な役の選び方をしていた若い時期の代表作。こういう無軌道な役柄は、現在の彼にはオファーはまず来…
(原題:TERMINATOR:DARK FATE)どうしようもない出来。パート3以降の作品を“無かったことにする”という荒業を採用し、傑作との誉れ高いパート2(91年)の“正式な続編”として作られたにもかかわらず、内実は続編ではなく低レベルの“リメイクもどき”に留…
(原題:Crime of Passion)84年作品。ケン・ラッセル監督のアヴァンギャルドな個性が全面展開している一編で、とても楽しめる。もちろん、通常のラブストーリーやサスペンス劇を期待して接すると完全に裏切られるが(笑)、同監督の持ち味を認識している…
素材の捉え方には大いに問題があるとは思うが、決して観て損はしない。現時点では斯様な作劇しか出来なかったこと、そしてこのようなトピックしか取り上げられなかったこと等、ドキュメンタリー映画としての出来そのものよりも、作品の背景および状況を探る…
2003年作品。演出は蜷川幸雄だが、映画監督としての蜷川の前作は81年製作の「魔性の夏」である。四谷怪談をモチーフとしたあの作品は、一時流行った“異業種監督”の例に漏れず、身勝手な“美意識”とやらを前面に押し出した失敗作であった。ところが、そ…
先日観た市井昌秀監督の「台風家族」と似た設定の映画だが、出来映えは圧倒的に本作の方が良い。これは題材をオフビートに捉えて向こう受けを狙っただけのシャシンと、多少変則的なシチュエーションながら正攻法に徹した作品との差である。つまりは作者の意…
去る11月24日(日)に福岡ソフトバンクホークスの日本一祝賀パレードが行われた。早速私も見物するため当日勇んで家を出たのだが、あいにくの雨模様。それでもめげずに歩を進めるが、ますます雨はひどくなり、落ち葉を巻き上げるほど風は強くなった。さ…
(原題:THE LAST MOVIE STAR )バート・レイノルズの全盛期を少しでも知っている映画ファンならば、感慨深いものになること必至だ。しかも、先日観たロバート・レッドフォード主演の「さらば愛しきアウトロー」がレッドフォードに馴染みの無い観客は“お呼び…
(原題:Red Dragon)2002年作品。ジョナサン・デミ監督「羊たちの沈黙」(91年)よりも以前のエピソードを描く“レクター博士三部作”の一作目。リドリー・スコット監督の「ハンニバル」(2001年)も含めたハンニバル・レクター・シリーズの中では…
(原題:AT ETERNITY'S GATE)誰でも知っている著名な画家を主人公にした映画(ドキュメンタリーを除く)は、やはり作るのが難しいのだろう。画家の業績を示す数々の名画は、それ自体が“ヴィジュアル”であり、映画の映像はそれらと対峙しなければならない立…
先般の沢尻エリカ容疑者の逮捕により、彼女が重要な役で出演する2020年放映予定のNHK大河ドラマの取扱いが難しくなっている。以前より疑惑があった沢尻をわざわざキャスティングしたNHKの脇の甘さは問題だが、やっぱり無節操に長年薬物を使い続け…
本年度の日本映画を代表する力作である。本作を観て“ミステリーの体を成していない(だからつまらん)”とか“辛気臭いだけの映画”とか“何が言いたいのか分からない”とかいう感想しか述べられないのならば、それは“鑑賞力”が低いのだと思う。そもそも原作者が…
(原題:The Pianist )2002年作品。ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、シュピルマンが戦時中に体験する苦難を描いたドラマだが、ロマン・ポランスキー監督の映画に月並みな“感動”などを求めるのは筋違いだと思う。この作品のクライマックスは“主人公が…
(原題:T-34)突っ込みどころはけっこうあるが、それを忘れてしまうほどの面白さ。戦車が“主役”になった戦争アクション物の代表作として、映画ファンの記憶に残るのではないだろうか。少なくとも、アメリカ映画「フューリー」(2014年)なんかより、は…
(原題:La Traviata )82年作品。アレクサンドル・デュマ・フィスの原作によるヴェルディの著名なオペラ「椿姫」の映画化だ。19世紀中頃のパリの社交界を舞台に、真実の恋に生き死んでゆく花形娼婦ヴィオレッタの姿を描く。とにかく、その絢爛豪華な美…
脚本には随分と無理がある。しかし、それを補って余りある展開の面白さ、キャストの大健闘、そして作者の意識の高さにすっかり感心してしまった。本年度の邦画を代表する痛快作だ。聞けば第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で監督賞を獲得し…
脚本の詰めが甘い。「カメラを止めるな!」(2017年)で社会現象を巻き起こした上田慎一郎監督の劇場用長編第2弾だが、彼の身上であるシナリオの精度が斯様に低い状態では、いくら演出で引っ張ろうとしても映画は盛り上がらない。プロデューサーとして…