2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧
随分と乱暴な筋書きである。展開は行き当たりばったりで、まさに御都合主義が横溢している。ならば面白くないのかというと、そうでもないのだ。それはキャラクター設定の妙に尽きる。強烈な印象を受ける人物を画面の真ん中に据えれば、映画はサマになってし…
2017年にノーベル文学賞を受賞したイシグロの小説は、2本の映画化作品(「日の名残り」と「わたしを離さないで」)は観ているが、読んだことがなかった。丁度良い機会なので、一冊手にしてみた。本書は2015年に執筆されており、現時点では最新作で…
(原題:SAGE FEMME)脚本があまり上等ではなく、筋書きの不備が散見される。ただ、キャストの演技と存在感でさほど退屈せずスクリーンに対峙できた。やはり映画において“スター”の占める割合は大きいのだろう。 パリ郊外のモントレ=ラ=ジョリーの町に暮ら…
(原題:IP5 )92年フランス作品。主人公の若者トニー(オリヴィエ・マルティネス)は、街中の壁にスプレーによる見事な作品を無断で残していく“アーティスト”だが、それが仲間の怒りを買い、グルノーブルへ(おそらく麻薬入りの)人形をトラック輸送する…
(原題:DENIAL)映画の出来そのものよりも、題材と提示される事実にとても興味を覚えた。当然ながら映画は素材よりも中身で評価されるべきものだが、時として“例外”もあり得るのだろう。 94年、アトランタにあるエモリー大学で講演中の歴史学者デボラ・E…
(原題:Quadrophenia)79年イギリス作品。若造だった頃にリアルタイムで観ているが、大した出来ではないと思った。たぶん、今見直しても評価は変わらないだろう。ただ、思慮の足りない若者がいかにも陥りそうなディレンマと破局の一典型として“資料的な”…
(原題:KINGSMAN:THE GOLDEN CIRCLE)前作(2014年)に比べると大幅に落ちる出来映え。設定や脚本を練り上げないまま、見切り発車的に製作された感が強い。やはりヒット映画の続編の作り方は難しいのだろう。 突如現れた謎の敵“ゴールデン・サークル”の…
(原題:Trespass)92年作品。久々にウォルター・ヒル監督の真骨頂を見たような気がした。かつては「ザ・ドライバー」(78年)「ロング・ライダース」(80年)「ストリート・オブ・ファイヤー」(84年)などの傑作群を放った彼も、80年代後半から…
(原題:TOIVON TUOLLA PUOLEN)アキ・カウリスマキ監督の持ち味が今回も全面展開しているが、そこにグローバル社会がもたらす問題点も巧みに挿入され、重層的で見応えのある作品に仕上がっている。2017年ベルリン国際映画祭の銀熊賞の受賞作だ。 ヘルシ…
(原題:PARIS VU PAR)65年フランス作品。同年のカンヌ国際映画祭で上映されたオムニバス映画。パリを舞台に、ヌーヴェル・ヴァーグの気鋭の監督6人が当時のパリ市民の哀歓をスケッチ風に描く。製作は当時24才だったバルベ・シュレデール。タイトルに…
(原題:PAPER MOON)73年作品。私は“午前十時の映画祭”にて今回初めてスクリーン上で接することが出来た。巷では名作との誉れ高い映画ながら、正直なところ、見終わって“おいおい、これでいいのか?”という疑問符が頭の中に多数浮かんでしまった。何とも…
2002年製作のアニメーション作品。他愛のない話なのだが、単純明快な分、同じスタジオジブリ作品としては前年の「千と千尋の神隠し」よりは好きだ。上映時間が1時間15分と短いのも良い。 主人公ハルは17歳の女子高生。おとなしく優柔不断な性格で、…
通常、ある程度映画を見慣れている観客ならば、開巻約10分間で映画の出来不出来は分かるだろう。もちろん、序盤は良いが途中で息切れする作品もけっこうあるが、その逆の“最初は話にならないが、中盤以降で盛り返す映画”なんてのはめったにない。ところが…
(英題:The Wedding Banquet )93年台湾作品。この頃のアン・リー監督の才気が存分に発揮された一本。第43回ベルリン国際映画祭での大賞受賞をはじめ、数々のアワードを獲得している注目作だ。 ニューヨークで同性愛のパートナーと優雅な同棲生活を送る…