元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

楡周平「象の墓場」

とても興味深い内容だ。激変する市場トレンドに対する企業のあり方を、実にヴィヴッドに示している。現時点でも、本書の題材になっている企業と同じような“症状”に見舞われているメガカンパニーが少なくないことを考え合わせると、読む価値は大いにあると言…

「デッドプール」

(原題:DEADPOOL)さっぱり面白くない。賑々しい画面とは裏腹に、こちらは眠気を催してきた。アメリカではR指定作品としては興収歴代1位のオープニングを飾ったらしいが、こんなものを観て喜んでいるようでは、彼の国の観客のレベルもそう高くはないよう…

「ペイバック」

(原題:Payback )99年作品。展開にかなりご都合主義が入っているが、あまり気にらない。なぜなら、これはキャラクターを見る映画だからだ。主演のメル・ギブソンの傍若無人でサノバビッチな持ち味がよく出ていて笑えるし、脇の面子も申し分ない。快作と…

「団地」

観ている間は退屈しないが、鑑賞後の印象は強いものではなく、それどころかヘンな後味が残る。だいたい、有名な原作を取り上げているわけでもないオリジナル脚本で、この企画が通ったこと自体、とても不思議だ。何か“裏の事情”でもあったのだろうか(笑)。 …

「チアーズ!」

(原題:Bring It On )2000年作品。チアリーディングを題材にしているが、それまでこのネタを大々的に取り上げた映画はあまり存在しなかった。それだけでも本作では大きなアドバンテージになるが、出来の方もかなり良いので、まさに言うことなしだ。幅…

「ヒメアノ~ル」

ラブコメとサイコホラーの“二本立て”という、その構成が面白い。もっとも、後半のサイコホラーの部分はあまり上等な出来ではないが、ラブコメとの対比の妙によってあまり気にならなくなってくる。こういう作り方はまさにアイデア賞ものだ。 将来に不安を抱き…

音楽に全く関心の無い人々。

日本レコード協会が今年(2016年)3月に発表した“音楽メディアユーザー実態調査”の最新版となる2015年度版において、10代から60代までの約2千人の調査対象の中で、無料でも音楽を聴かない“完全な無関心層”が34.6%を占めたことが明らかに…

「ディストラクション・ベイビーズ」

暴力の持つ禍々しい魅力を活写し、観る者に強い印象を与える問題作だ。言い訳無しで小賢しい考察もスッ飛ばし、現象としての暴力を理不尽なまでに定点観測するだけの映画。それを“表現力の不足だ”と切って捨てる向きもあるかもしれないが、私はこの潔さを大…

「イグジステンズ」

(原題:eXistenZ)99年作品。デイヴィッド・クローネンバーグ監督作としては、ストーリーや映像のキレ具合は「ヴィデオドローム」(83年)や「裸のランチ」(91年)などには及ばない。しかしながら、取り上げられているモチーフには面白いものがあり…

「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」

(原題:WHERE TO INVADE NEXT)観ている間は面白い。取り上げられている題材も興味深い。しかし、この作家が物事を表層的にしか捉えていないのは、相変わらずだ。ひょっとしたら、社会的・歴史的な深い考察を試みないのは彼だけではなく、アメリカ人自体の…

長門市に行ってきた。

先日、山口県長門市に行ってきた。山口県の日本海側の観光地と言えば萩市や青海島、角島などが有名だが、それらはすでに足を運んだことがあったので、今回は別のスポットを回ってみた。まずチェックしたのは、同市仙崎にある“金子みすゞ記念館”である。言う…