元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

懲りずに選んだ2013年映画ベストテン。

2013年の個人的映画ベストテンを発表したい。下半期に鑑賞ペースが落ちたことを勘案しても、食指の動く作品があまり多くなかったのは事実だ。それでも何とか10本を選んでみた。 日本映画の部 第一位 東京家族 第二位 舟を編む 第三位 そして父になる …

「バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち」

(原題:20 Feet from Stardom)とても興味深いドキュメンタリー映画だった。大物ミュージシャンを支えるバックコーラス隊に所属する女性歌手達の生き方を通じ、人間の才能に対しての厳然たる視線と諦観とが表現される。確固たる普遍性に裏打ちされた訴求力…

「長崎ぶらぶら節」

2000年東映作品。作詞家のなかにし礼による同名小説(直木賞受賞作)の映画化。ストーリーや語り口には大きな欠点はないが、残念ながら映像面がまるでダメである。 明治の終わり、長崎の丸山の遊郭で名芸者と呼ばれる愛八は、芸達者であるのはもちろん、…

「ハンナ・アーレント」

(原題:Hannah Arendt )素材に対する考察は限りなく浅く、単にエピソードを漫然と並べているに過ぎない。伝記映画としては落第点だ。監督のマルガレーテ・フォン・トロッタが過去に撮った「ローザ・ルクセンブルク」(87年)と同じく、凡庸な展開である…

「アムス→シベリア」

(原題:Sibelia )98年オランダ作品。話の内容自体はマアマアだったように思う。アムステルダムを舞台に、無軌道な日々を送る野郎二人組と、素性の分からない女の子との青春群像を描いた一編。 ヒューホとゴーフは、アムステルダムにやってくる若い女性観…

「利休にたずねよ」

くだらん。今年観た日本映画の中では、最低のシャシンだ。とにかく、何も描けていない。中身がまるで無い。見事なほどカラッポな映画である。こんな愚作を平気で垂れ流した製作側は、いったい何を考えているのだろうか。恥ずかしくないのだろうか。 劇中で利…

フェリクス・J・パルマ「時の地図」

SF小説の巨匠H・G・ウェルズが主人公になり、19世紀末のロンドンで“活躍”するという伝奇ロマン。これは本当に面白かった。ハッタリめいた設定と大仰な語り口を前面に出しているが、文体と展開に“愛嬌”があり、各キャラクターも立っていて実に楽しい。…

「キャプテン・フィリップス」

(原題:Captain Phillips)観ている間は退屈しないが、大きなインパクトは感じない。それは、センセーショナルな事件を元にした“実録物”であることが映画の足枷になっているからだと思う。 もっとも、同じポール・グリーングラス監督作の「ユナイテッド93…

「クール・ランニング」

(原題:Cool Runnings)93年作品。当初この映画は「三銃士」(スティーヴン・ヘレク監督版)の地方併映作品として輸入されたもので、首都圏では最初新宿や渋谷あたりでも上映している劇場がなく、場末の映画館でひっそりと公開されていたらしい。ところが…

「かぐや姫の物語」

面白くないのは、原作には無いキャラクターを登場させているからだろう。それはかぐや姫の“幼馴染み”であり、彼女が想いを寄せる少年・捨丸である。 かぐや姫がイノシシに襲われるところを危うく彼に救われたことから、二人の距離が縮まってくるという設定だ…

「Love Letter」

95年製作。初めて岩井俊二監督作に接した映画だった。その時は、彼の作風はポーランドの鬼才クシシュトフ・キェシロフスキに似ていると思った。本作は「ふたりのベロニカ」と「トリコロール 青の愛」をあわせたような映画である。あるいは「トリコロール」…

「あの頃、君を追いかけた」

(原題:那些年、我們一起追的女孩)本国台湾や香港などで大ヒットし各映画賞の候補にもなった青春ドラマということで観てみたが、何のことはない、日本でもよくある軽量級ラブコメでしかなかったのには脱力した。ベタな展開とユルい演出の連続で、明らかに…

「悪の法則」

(原題:The Counselor )つまらない。“何かあるぞ”と思わせて、実は“何も無い”という困ったシャシンである。せいぜいが“人間、ヤバいことに手を出さずに地道に生きるのが一番”といった退屈な道徳論もどきが転がっている程度。リドリー・スコット監督もいよ…

最近購入したCD(その28)。

最近は若い世代の間で“ヤバい”という言葉がポジティヴな意味で使われている・・・・ということが巷間に取り沙汰されているようだが、実は我々世代の十代の頃(つまり、かなり昔)にも“ヤバい”を肯定的な意味に捉えた使い回しは存在した。しかし、今のように…

「マラヴィータ」

(原題:MALAVITA)この頃あまりパッとしなかったリュック・ベッソン監督作にしては、けっこう楽しめる。ただしこれは、プロデュースを担当するマーティン・スコセッシが手綱を握ってストーリー面での迷走を抑えたことが大きいと思う。何しろ、スコセッシが…

「ピンポン」

2002年作品。神奈川県の高校の卓球部に所属する星野裕は腕は確かだが、自分の才能に自惚れており、クラブ活動にも身が入らない。そんな彼が思わぬ相手に苦杯を嘗めたことから、一念発起してインターハイ制覇に挑む。松本大洋による漫画の映画化。 これが…

「日本の悲劇」

脚本の詰めが甘い。確かに力のこもった映画ではあるのだが、ここに描かれるのは“悲劇のための悲劇”でしかなく、日常生活の中に潜む陥穽を暴き出すというような、真に観る者を慄然とさせる凄味は感じられない。惜しい出来だと思う。 元大工で、今はガンで余命…

「唐獅子株式会社」

83年東映作品。小林信彦による原作はとても面白いのだが、この映画化作品はとことんダメである。その敗因は明らかで、製作に“吉本興業人脈”が荷担しているからだ。 外観は強面の極道連中だけど、やることなすことオフビートであるという、そのギャップで笑…