元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ネオン・デーモン」

(原題:THE NEON DEMON)単に“小手先のギミック”を漫然と積み重ねているだけで、何ら求心力を持ち得ていない。デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督は「ドライヴ」(2011年)や「オンリー・ゴッド」(2013年)で高い評価を受けた…

バスケットボールの試合を観戦した。

去る1月29日、プロバスケットボールの試合を見に行った。対戦カードは地元チームのライジングゼファーフクオカと、愛知県の豊田合成スコーピオンズである。2016年に発足したプロリーグ(Bリーグ)のゲームであるが、両チームとも三部リーグ(B3)…

「あずみ」

2003年作品。戦国時代、母を失い孤児となった少女・あずみが刺客の養成所に入れられ、過酷な運命をたどる様子を描く。小山ゆうによる同名コミックの映画化だ。 出来としてはどうも釈然としない。当時のプロデューサーの弁によると、冒頭近くの仲間同士が…

「疾風スプリンター」

(原題:破風 To the Fore)何やら連続テレビドラマの総集編を見ているような感じだ。フィルム撮りではなく、いかにもデジカムで間に合わせたような、奥行きの無い平板な画面がそれを強調する。上映時間が長すぎるのも愉快になれない。ただし、香港のアクシ…

「てなもんやコネクション」

90年作品。何とも珍妙なタイトルだが、実際に観てみると見事に“てなもんや”の部分と“コネクション”のパートが存在し、それが融合していることに驚き笑ってしまう。脚本家でもある宇野イサムの原作を映画化したのは山本政志監督で、彼のフィルモグラフィの…

「ヒトラーの忘れもの」

(原題:LAND OF MINE)乱暴な言い方かもしれないが、本作に似ている映画を挙げるとすれば、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の「恐怖の報酬」(53年)だと思う。いつ地雷が爆発するか分からない恐怖そして緊迫感が全編に横溢しており、ハイレベルのサ…

「キンダガートン・コップ」

(原題:KINDERGARTEN COP)90年作品。大柄なタフガイが幼稚園児にキリキリ舞いさせられるという設定だけで、すでにギャグの基本が出来上がっている。しかも主演はアーノルド・シュワルツェネッガーで、役柄は刑事だ。そのシチュエーションならばいくらで…

「私の少女時代 OUR TIMES」

(原題:我的少女時代 Our Times)内容の割には上映時間は長いし、ドラマ展開は冗長で余計なシーンも散見されるのだが、年甲斐もなく“胸キュン”してしまうところも多々あり(大笑)、見終わっての印象は良好だ。最近観た「若葉のころ」や「共犯」等の出来の…

「太陽は夜も輝く」

(原題:IL SOLE ANCHE DI NOTTE)90年イタリア作品。監督はパオロ&ヴィットリオのタヴィアーニ兄弟だが、カンヌ国際映画祭で大賞を獲得した「父/パードレ・パドローネ」(77年)を撮った後は、彼らは長らくスランプに陥っていたと思う(巷の評判が良…

「四十二番街」

(原題:42nd Street )1933年ワーナー・ブラザーズ作品。ハリウッド製ミュージカル映画の嚆矢として知られる作品だが、私は福岡市総合図書館の映像ホールにおける特集上映で、今回初めて観ることが出来た。映画としては時代を感じさせるほどの脱力系の…

「こころに剣士を」

(原題:THE FENCER)期待していなかったが、とても良かった。歴史物にスポ根路線を合わせたような映画は過去にも存在したが、本作は時代背景と題材の珍しさ、そして余計なケレンを廃した静かな演出により、独自の魅力を獲得している。抑えたタッチでありな…

「トゥルー・クライム」

(原題:True Crime)98年作品。2016年のキネマ旬報ベスト・テンの外国映画第一位はクリント・イーストウッド監督の「ハドソン川の奇跡」だったが、私は観ていないし観る気もない。個人的には同監督の生温くて隔靴掻痒な演出タッチ(ごく一部の作品は…

「弁護人」

(英題:THE ATTORNEY)実に見応えのある映画で、鑑賞後の満足感は高い。しかし、本作が実在の有名人の言動を基にしているという事実は、何とも複雑な気分にさせられる。しかもその人物がそれからどういう人生を送ったのか、それが明らかになっている現状で…

「めぐりあう時間たち」

(原題:The Hours )2002年作品。ニコール・キッドマンにアカデミー主演女優賞をもたらした映画。また第53回ベルリン国際映画祭ではキッドマンとジュリアン・ムーア、メリル・ストリープを含む3人が銀熊賞を共同受賞している。 1920年代と50年…

「風に濡れた女」

映画としてはつまらないのだが、主演女優の存在感により何とか最後まで観ていられた。現役の監督たちが新作ロマンポルノを手掛ける“日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト”の第二弾で、監督は塩田明彦。若手俳優の扱いには定評のある同監督の持ち味は、…