2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧
(原題:ON THE MILKY ROAD )エミール・クストリッツァ監督のお馴染みの個性的な持ち味は発揮されているが、内容を勘案すると上映時間が長すぎる。しかも、中盤以降の展開は明らかに冗長だ。余計なシークエンスを削ってタイトに仕上げれば、もっと評価出来…
90年作品。この映画は何と、大手総合商社の一つであったトーメンが製作している。思い起こせば80年代から90年代初頭にかけて、映画作りとは縁の無いようなカタギの(?)企業が次々と映画業界に参入していたものだ。当時は景気が良かったのでそんなケ…
面白そうな題材は扱っているが、アプローチを間違えている。アメリカ占領下にあった戦後の沖縄で、米軍の圧政と戦った瀬長亀次郎という人物を描いたドキュメンタリー作品。那覇市長や衆議院議員も務めたということだが、私は不勉強にも彼のことを知らなかっ…
ミステリーとしては設定がかなりの“変化球”だが、決して奇を衒うことがなくストレートにグイグイと引き込まれる。国際的な人権問題を告発する等、ジャーナリスティックな視点を伴っているため、話が全然絵空事にならない。読み応えのある本だと言える。 中国…
期待していなかったが、実際に観た印象も予想通りの“中の下”のレベルだ。もっとも、前2作も観ているので、惰性でスクリーンに対峙したというのが実情である(苦笑)。ただ、この監督独特の作劇のリズムは健在なので、観ている間はさほど退屈はしなかったの…
(原題:HOWARDS END )92年イギリス作品。ジェイムズ・アイヴォリィ監督の絶頂期の一本で、この格調の高さには唸るばかりだ。重厚で端正だが、無駄は省かれ作劇は筋肉質で緩みが無い。また時代の雰囲気を存分に出しながら、凝ったエクステリアの創出に溺…
昭和24年製作の黒澤明監督作品。私は“午前十時の映画祭”にて今回初めてスクリーン上で接することが出来た。世評通りの面白さで、当初このネタにしては長いと思われた上映時間も気にならないほど、観る者を引き込んでいく。また、この時代の“空気”を上手く…
(原題:QUE VIVA MEXICO!)ソ連の巨匠、セルゲイ・エイゼンシュテインが1928年にメキシコに渡ってから撮った作品だが、1931年に未完のまま製作が終了。フィルムがアメリカに残されて長らく埋もれたままであったが、72年にフィルムがソ連に返還さ…
(原題:HIDDEN FIGURES)とても面白かった。人種問題に代表される時代の一断面を鋭く描きながらも、語り口は明るく、娯楽性たっぷりだ。取り上げられた題材もすこぶる興味深く、退屈するヒマもなくスクリーンに向き合える。本年度のアメリカ映画の収穫であ…
(英題:Autumn Sonata )78年作品。スウェーデン映画であるが、監督のイングマール・ベルイマンが税金問題に関わっていたため国内で製作できず、ノルウェーで撮影されている。ゴールデングローブ賞の外国語映画賞受賞をはじめ、米アカデミー賞外国語映画…
低調な出来だ。実話を基にしているらしいが、リアリズムで押し通している気配は無い。かといってコメディにして笑い飛ばそうとしている様子は見受けられないし、ファンタジー映画にしてしまうほどの思い切りの良さも無し。まことに居心地の悪い映画なのだ。 …
2004年作品。沖縄の過去と現在を描いた目取真俊のオリジナル脚本を東陽一監督が映画化。沖縄のとある小さな島は、強い海風が吹くと不思議な音が聞こえる。地元の者はそれを“風音”と呼ぶが、浜辺の切り立った崖の中腹にある風葬場に置かれている頭蓋骨に…
(原題:DUNKIRK )失敗作である。監督クリストファー・ノーランの“作家性”が中途半端に前面に出ており、それが作品のカラーとまったく合っていない。 まず、時系列をバラバラにして並べるという手法は、明らかに「フォロウィング」(98年)や「メメント」…
(英題:Show Me Love)98年製作のスウェーデン映画。主演の二人の女の子の表情が素晴らしく、筋書きも悪くないのだが、イマイチしっくりいかないのは映像処理の方法にある。粒子の荒いザラザラの画面と手持ちカメラの多用はいたずらに“マイナー指向”をあ…
原作者である重松清の著作、及びその映画化作品に感心したことは一度も無い。本作の元ネタの小説は未読だが、出来上がった映画はやっぱりつまらない。とにかく、掘り下げが不足しており底が浅い。わざとらしい御膳立てを、さもリアルな一大事の如く演出して…
DIATONEのスピーカーの試聴会に行ってきたのでリポートしたい。DIATONEは三菱電機のオーディオブランドで、戦後すぐにこの商号は用いられ、2016年には誕生70周年を迎えた。NHKの業務用モニタースピーカーを手掛けるなどの実績を積み…
アジアフォーカス福岡国際映画祭2017出品作品。すでに封切公開はされているが、今回は映画祭バージョンで身体にハンデのある観客のために字幕と状況説明の音声ガイド等が用意された“バリアフリー上映”である(もちろん、一般の観客も違和感なく鑑賞でき…
(原題:春夢)アジアフォーカス福岡国際映画祭2017出品作品。2016年製作の韓国映画。これはダメだ。完全に作者の独り善がり。国際映画祭には大抵この手のシャシンがいくつか紛れ込んでくるものだが、運悪く遭遇してしまったという感じである(苦笑…
(英題:Hello Vietnam )アジアフォーカス福岡国際映画祭2017出品作品。2017年製作のベトナム映画である。序盤は小規模なホームドラマと思わせて、次第に舞台が広がり、終わり近くには堂々たる大河ドラマの様相を呈してくる。しかも、わずか88分…