元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「チョコレート」

(原題:Monster's Ball)2001年作品。後半の、ビリー・ボブ・ソーントンとハル・ベリーのやり取りよりも、ヒース・レジャー扮するソーントンの息子が自殺するまでの顛末に胸が締め付けられた。 本来彼は子供好きの、心優しい男なのだ。しかし、偏屈な人…

「夜のピクニック」

全校生徒が徹夜で80キロを歩ききるという茨城県の某高校でのイベントをネタにした映画だが、かなり昔に似たような学校行事をテーマにしたNHKのドキュメンタリー番組を見たことがある。最初から優勝を目指して飛ばす者、ウケを狙ってビリの座を手中に収…

「太陽」

(原題:Solntse )ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督が、終戦前後の昭和天皇を描いた問題作・・・・という触れ込みだが、どうもパッとしない映画だ。 一番の敗因はイッセー尾形が主演していること。彼の場合、何をどうやっても“イッセー尾形そのもの”…

「エルミタージュ幻想」

(原題:Russian Ark)「太陽」の監督アレクサンドル・ソクーロフが2002年に撮った作品で、エルミタージュ美術館を舞台にした時間と空間を超越した“映像詩”とでも言うべきもの。NHKの技術協力によるハイビジョン・キャメラの使用により、映画史上前代…

「イルマーレ」

(原題:The Lake House)ハリウッドがヨソの国の映画をリメイクする例は過去にも多数あったが、元ネタを上回ることはほとんどない。あるとすれば、元の作品があまり出来が良くなく、相対的にハリウッド版がマシに見えたというケースのみだろう。本作は韓国…

「“アイデンティティー”」

(原題:IDENTITY)2003年作品。悪天候の中、電話も通じない僻地のモーテルに閉じ込められた人々が次々に死んでいくというスリラー篇。よくある設定の映画かと思ったら、途中から通常のサスペンス劇とは全く異なる展開になってゆく。 「17歳のカルテ」…

「紙屋悦子の青春」

自らの母親の体験談を元に劇作家の松田正隆が書いた戯曲が原作となっているためか、場面展開が少なくカメラも長回し主体で、ほとんどがセット撮影というように、演劇的なテイストがかなり多い。しかしそれは、登場人物の性格と想いを誇張なく伝えるための賢…

最近購入したCD(その4)。

最近買ったディスクを懲りずに紹介します(^^;)。 まずは、ニューヨークの地下鉄駅で4年前からストリートライヴをおこない、口コミで評判が伝わった結果、今回めでたくメジャーよりデビューした女性シンガーソングライター、スーザン・ケイグルのファースト…

「ローズ・イン・タイドランド」

(原題:Tideland)久々にテリー・ギリアム監督の“外道モード”が全開になった怪作で、大いに楽しめた。前作「ブラザーズ・グリム」の不甲斐なさは忘れてしまおう(笑)。 ミッチ・カリンの小説「タイドランド」の映画化。子供が主人公の、明らかに「不思議の…

「やわらかい生活」

廣木隆一監督で主演が寺島しのぶだから、観る前は「ヴァイブレータ」の続編みたいな鬱陶しいシャシンではと思ったが少し違った。やはり絲山秋子の原作が大きくモノを言っているのだろう。本作の元ネタ「イッツ・オンリー・トーク」は読んでいないが、芥川賞…

いじめは“あって当たり前”と認識せよ。

福岡県筑前町でのいじめ自殺事件、常識外れの教師と事なかれ主義の権化みたいな学校当局の態度に対して非難が巻き起こっている。当然私も学校側を糾弾したい気持ちが強いが、正直言ってこの局面で今さら“学校は何やってんだー! 自己反省しろー!”などとシュ…

「七人の侍」

この映画を観るのはTV放映・ビデオを含めて5回目ぐらいか。内容については今さらコメントする必要はないほど有名な黒澤明監督1954年の大作。 しかし、回を重ねて観るたびに印象に強く残るのは、圧倒的なアクション・シーンでもなければ効果的な音楽で…

「マイアミ・バイス」

(原題:Miami Vice)TVシリーズ「特捜刑事マイアミ・バイス」は見たことがないので、元ネタと比べてどうだというコメントは書けないが、映画単体で捉えればそこそこ楽しめると思った。 いつもは鼻につくマイケル・マン監督作品特有の気取った雰囲気が、タ…

伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」

つまらない。妻との離婚を目前に控えた30歳間近の主人公のやるせない日々を綴った第135回芥川賞の受賞作だが、実に稚拙な出来である。 何より思わせぶりな状況描写を延々と続けた後に、ただちに自分の心情を直截的にあらわすフレーズをくっつけるという…

「青春漫画 ~僕らの恋愛シナリオ~」

前半はコミカルで後半は“泣かせ”に徹するという韓国製娯楽映画の典型みたいなシャシンだが、よく観ると“画期的な”作品であることが分かる。それは、韓国映画でたぶん初めて身体障害者を“本当の意味でポジティヴに”描いているからだ。 アクション俳優志望の脳…

「ピンクカット 太く愛して深く愛して」

83年にっかつ作品。ロマンポルノとして製作された一本だが、監督はあの森田芳光だ。といっても「(ハル)」以来鑑賞に堪えうる作品を撮っていない今の森田ではなく、デビュー間もない才気あふれる時期の作品である。 伊藤克信扮する三流大学4年生の落ちこ…

「トランスアメリカ」

(原題:Transamerica)性転換手術直前のおっさんの前に、昔自分が“正真正銘の男”であった頃に出来た息子が突然現れ、一緒に旅をするハメになる・・・・というアイデア“だけ”で作られた映画のように思える。筋書きはあまり練られていない。 そもそも、息子が…

「ウォ・アイ・ニー」

これは中国版「ある結婚の風景」だろうか。ただし、ベルイマンのあの作品が夫婦生活の欺瞞を直截的に糾弾するセリフの応酬で観る者を圧倒したのに対し、本作の主人公達は同様に罵り合い傷つけ合うものの、その不満のベクトルは相手に向けられてはいない。そ…

「ゆれる」

新進女流監督・西川美和の第二作は、デビュー作「蛇イチゴ」と同じく兄弟(前回は兄妹だったが ^^;)の葛藤を取り上げ、相変わらずの人間観察力を見せつける。 東京で気鋭のフォトグラファーとして優雅な生活を送る二枚目の弟と、山梨の片田舎で家業のガソリ…

「ヨコハマメリー」

どうもよく分からない映画である。私は90年代半ばあたりまでに横浜界隈に出没したという白塗りの老娼婦“メリーさん”のことなど何も知らない。もちろん、横浜の街自体に特別な思い入れなどない。そんな当方のスタンスとは関係なく、映画は“戦後の横浜歓楽街…

「ユナイテッド93」

(原題:United 93 )9.11同時多発テロ事件において、ハイジャックされた4機の中で唯一目標に到達することなく墜落したユナイテッド航空93便の“当日の様子”を描くノンフィクション風ドラマ。 厳しい映画が目立つ本年度のアメリカ映画界だが、これは最…

「乳泉村の子」

(原題:清涼寺鐘聲)91年中国=香港合作。中国・河南省の洛陽に近い乳泉村。第二次大戦終結直後、陸軍将校の妻(栗原小巻)は日本に逃げ帰る途中で、生まれて間もない息子と離ればなれになる。中国人夫婦に拾われたこの乳児は、成長して仏の道に入り、高…

一般市販品の電源ケーブルを買ってみた。

前回のアンプ&チューナー用電源ケーブルの購入でその効き目に味をしめ、早々とCDプレーヤーに繋ぐための電源ケーブルを買ってきた。今度は店頭で売っているメーカー品だ。型番はオルトフォンのPSC-3500XG。エントリークラスの電源ケーブルの中…

「蟻の兵隊」

アジアフォーカス福岡映画祭2006出品作品。確かにドキュメンタリーの力作だが、正しい歴史認識を持たずに漫然と本作に接してしまうと、間違った解釈をしてしまうヤバイ映画でもある。 中国の山西省にいた日本軍約2千6百人が、戦争が終わっても日本に帰…