元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「フォロー・ミー」

(原題:THE PUBLIC EYE)72年作品。「第三の男」などで知られるイギリスの著名な監督キャロル・リードの最後の作品であるが、私は今まで観たことがなく、今回のリバイバル上映で始めて接した。感想としては“中盤までは良いが、ラスト近くは腰砕け”といっ…

「S.W.A.T.」

(原題:S.W.A.T.)2003年作品。70年代の人気テレビ・シリーズ(私は未見)を映画化したサスペンス・アクション。エリート警官たちを集めた特殊部隊の活躍を描く。 逮捕された麻薬組織のボスがテレビカメラの前で「俺を逃がした奴には1億ドル払う!」…

「ベスト・キッド」

(原題:The Karate Kid)ジョン・G・アヴィルドセン監督によるオリジナル版(84年)と最も異なる点は、主人公に技を教える師匠が日本人から中国人に変わっていることだ。まさに時代の流れを反映している。80年代の世界の経済界は日本が主役の一翼を担…

「おばあちゃんの家」

(英題:The Way Home)2002年作品。田舎の村に住む祖母と、そこに預けられた7歳の少年との日々の心の交流を描く。第39回大鐘賞(韓国アカデミー賞)受賞作だが、困ったことにあまり面白くない。 前作「美術館の隣の動物園」を観てもわかる通り、イ・…

「借りぐらしのアリエッティ」

まず、本職の声優を起用しないのは明らかにマイナスだ。もちろん、声優以外の者が担当したとしても、演技指導が上手ければ文句はない。実際、普通の俳優が声をアテて成功した例はいくらでもある。しかし、この映画はヒドい。志田未来や神木隆之介は、抑揚に…

「ウルトラQザ・ムービー 星の伝説」

90年作品。古墳の近くで起こった奇怪な殺人事件に巻き込まれたテレビ局員たちが、不思議な出来事に遭遇する様子を描く。昭和41年に放映されたTVシリーズの映画化だが、脚本は今回書き下ろされたオリジナルである。 私は本作をリアルタイムで観ているが…

「キャタピラー」

コンセプトとしては、高畑勲監督の「火垂るの墓」に通じるものがある。つまり、テーマを考えれば本作の舞台は戦時中ではなく、現代の話なのだ。 最近、まるで「火垂るの墓」の兄妹のように、子供が犠牲になる事件がイヤになるほど多い。「キャタピラー」に出…

「リバー・ランズ・スルー・イット」

(原題:A River Runs Through It )92年作品。1912年、モンタナ州ミズーラの町、豊かな自然に恵まれたこの土地で生まれ育ったノーマン(クレイグ・シェーファー)とポール(ブラッド・ピット)の兄弟をめぐる人間ドラマ。ロバート・レッドフォードの…

「きな子 見習い警察犬の物語」

主演女優と警察犬・きな子の奮闘以外は、何も見るべきものはない映画だ。小林義則の演出は(テレビ屋出身ということも関係してか)凡庸に過ぎる。冒頭、嵐の山中で救助活動を敢行する警察隊を描く空撮シーンは、何かの間違いではないかと思うほどお粗末であ…

「永遠のマリア・カラス」

(原題:Callas Forever)2002年イタリア=フランス=イギリス合作。伝説的なオペラ歌手マリア・カラスの晩年を描く。ハッキリ言って実につまらない映画だ。だいたい、この設定を考えた奴は万死に値するとさえ思う。 50代にして全盛時の声が出ないこと…

「ローラーガールズ・ダイアリー」

(原題:WHIP IT )これが初監督となるドリュー・バリモアの半生(および彼女自身の願望)が、微妙に投影されているようなところが面白い。原作と脚色には彼女はタッチしていないが(脚本はショーナ・クロスが担当)、ヒロインの境遇がバリモアの共感を呼ん…

欧州製の業務用ケーブルを試してみる。

オーディオ用の電源ケーブルをネット通販業者「オーディオケーブル市場」から購入したことは前のアーティクルに書いたが、同時にRCAケーブルも調達した。それはGotham(ゴッサム)のGAC-2111という線材を使用したモデルである。 Gotha…

新たに電源ケーブルを調達した。

新居に越してから買ったテレビは、電源ケーブルが着脱式になっている。そこで考えたのが“電源ケーブルを市販のものに付け替えたら、画質や音質がアップするのではないか”ということだ。オーディオシステムにおける電源ケーブルの重要性は、実践によりすでに…

「クレイジー・ハート」

(原題:CRAZY HEART )ストーリーは月並みだが、ジェフ・ブリッジスの自然体の演技により味わい深い映画に仕上がった。ブリッジス扮するバッド・ブレイクは昔は飛ぶ鳥を落とす勢いを誇ったカントリー・シンガー。今でも才能は涸れていないが、酒びたりで新…

「コールドマウンテン」

(原題:Cold Mountain )2003年作品。南北戦争末期、戦争に引き裂かれながらも、一途な愛を貫いた南軍兵士とその恋人を描く、アンソニー・ミンゲラ監督による大作。 内容は低調だ。今時こんな大時代なメロドラマを何の工夫もなく披露するその神経に呆れ…

「闇の列車、光の旅」

(原題:SIN NOMBRE)何より目を惹くのは、エルサルバドル発祥で本作の舞台となるメキシコにも拠点を置く国際的犯罪組織“マラ・サルバトゥルチャ(MS)”の生態である。その構成員の身体にはタトゥーが彫られている。クローネンバーグ監督の「イースタン・…

「解夏(げげ)」

2003年作品。失明に至る病を得た元教師と彼を支える婚約者との触れ合いを描く。さだまさしの同名小説を磯村一路が脚色して監督も担当。いわゆる“難病もの”の体裁を取って観客に広くアピールしたかったのだろうが、このいい加減な筋書きではそれも無理だ…

「ちょんまげぷりん」

期待していなかったが、けっこう面白い。荒木源の小説「不思議の国の安兵衛」の映画化で、現代に迷い込んできた江戸時代の侍がパティシエ(菓子職人)になるという、ほとんどイロモノみたいな設定の映画ながら、細部のリアリティを詰めることにより違和感の…

熊野古道を歩いてみた。

先日、休みを取って紀伊半島をぐるっと回る旅に出掛けた。私も嫁御もこの地方には行ったことがなく、けっこう楽しみにしていたのだが、思いがけずハードな行程になってしまった(笑)。 一番シビアだったのは、熊野那智大社に続く四百段以上の石段である。炎…

「ソルト」

(原題:Salt)つまらない。そもそも、アンジェリーナ・ジョリーにはアクション映画の主演は務まらない。スクリーン上で見る限り、彼女は運動神経がそれほど良くないように思える。「トゥームレイダー」シリーズでもそのことが大いに気になったものだが、本…

「アイデン&ティティ」

2003年作品。みうらじゅんの自伝的コミックを俳優の田口トモロヲが初監督。ただし脚本が宮藤官九郎なので、鑑賞前はあまり期待は出来ないとは思ったが、実際観てみるとこれが予想以上の低空飛行(爆)。つくづく感じるのだが、宮藤は映画の世界にはまっ…

「インセプション」

(原題:Inception )クリストファー・ノーラン監督の資質が良く出た作品だと思う。近年は「ダークナイト」などでメジャーな演出家としての地位を固めつつある同監督だが、元々は手の込んだ仕掛けを得意とする技巧派だ。 初期の「フォロウィング」や「メメン…

大濠公園の花火大会

昨日(8/1)は福岡市の大濠公園にて恒例の花火大会が開催された。今年になって福岡市内に引っ越したこともあり、久しぶり間近で接することが出来た。もっとも、大濠公園の中は大入り満員であり、公園の近くで仰ぎ見るしかなかったのだが、それでもけっこ…

「川の底からこんにちは」

痛快な映画だ。出口の見えない不況に加え、何の手だても打ち出せない政府。希望を持つことが難しい世の中だが、この作品は“だからこそ頑張るしかないじゃないか!”という開き直りともヤケクソとも受け取れるスローガンを何の衒いもなくブチ上げる。 もちろん…