元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「ボクたちはみんな大人になれなかった」

2021年11月よりNetflixより配信。主人公の生き方を肯定するわけではないが、理解はできる。言い換えれば、劇中の登場人物たちの境遇とは接点のない人生を送っている観客に、彼らの存在感を認めさせた時点で本作は成功したと言って良いだろう。…

「ザ・ホエール」

(原題:THE WHALE )冒頭タイトルが出るまで、この映画の監督がダーレン・アロノフスキーであることを知らなかった。だからその瞬間、本作が宣伝文句にあるような“心震わすヒューマン・ドラマ”などでは断じてなく、一筋縄ではいかないヒネクレ映画であるこ…

「キル・ボクスン」

(英題:KILL BOKSOON)2023年3月よりNetflixより配信された韓国製サスペンス・アクション。これは面白くない。聞くところによれば、配信されると再生数が初登場世界1位になったらしいが、この程度の出来では承服しがたい。もっとも映像処理は…

「生きる LIVING」

(原題:LIVING)予想以上にウェルメイドで、鑑賞後の満足度は高い。1952年に作られた黒澤明監督の「生きる」は間違いなく映画史上に残る傑作だが、この再映画化ということになるとハードルはかなり高く、過度な期待は禁物。ただし、脚本をカズオ・イシ…

「わたしは光をにぎっている」

2019年作品。観ていて戸惑うしかない映画だ。言いたいことは大体分かる。しかし、それ自体は観ている側にとっては大したことではなく、語り口も手慣れているとは言い難い。そもそも、斯様なネタをこのように扱うシャシンが、どうして作られたのか理解で…

「トリとロキタ」

(原題:TORI ET LOKITA)ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作品らしい厳しいタッチが横溢しているが、これまでの彼らの映画に(程度の差こそあれ)必ずあった“救い”というものが見受けられない。それだけシビアな現実をリアルに活写していると言…

「生きちゃった」

2020年作品。話の設定や筋書きには納得できない点も少なからずあるが、各キャラクターが抱える屈託の表現はけっこう非凡だ。決して観て楽しいシャシンではないものの、描かれたモチーフに関してしばし考える時間を設けたくなる。キャストの仕事ぶりも達…

「零落」

監督としてはあまり実績を残せていない竹中直人のメガホンによる作品なので正直大して期待していなかったのだが、実際観てみると悪くない出来だった。万全の内容とは言い難いが、ドラマがまとまりを欠き空中分解することは決してなく、主人公に感情移入した…

「ポリス・ストーリー3」

(原題:警察故事3 超級警察)92年作品。第95回米アカデミー賞で主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーを、最初に見たのがこの映画(当時はミシェール・キングと名乗っていた)。とにかく強烈な印象を受け、アジアには凄い人材がいるものだと驚いたことを…

「マッシブ・タレント」

(原題:THE UNBEARABLE WEIGHT OF MASSIVE TALENT )アクションコメディとしては凡庸で、敢えてコメントするほどのレベルではない。しかし、あのニコラス・ケイジが現実のケイジ自身を彷彿とさせる映画スター(?)をヤケクソ気味に演じるという設定は効果…

「ランナウェイ・シーフ」

(原題:CHOR NIKAL KE BHAGA )2023年3月よりNetflixより配信。歌も踊りも出てこない(笑)インド製のサスペンス・アクション編で、上映時間も1時間40分とコンパクト。開巻からしばらくは安手のテレビドラマ並の上等ではない建て付けで、正…

「シャザム! 神々の怒り」

(原題:SHAZAM! FURY OF THE GODS)退屈せずに観てはいられるが、前作(2019年)よりも面白さは低下している。早い話が、このキャラクターの売り物である“見た目は大人、中身は子供”という特徴が、キャストの成長によりあまり活かされなくなったのだ。…

「今ひとたび」

(原題:Cousins )89年作品。フランス映画「さよならの微笑」(75年)のハリウッド版リメイクである。元ネタの公開から10年以上経っての再映画化ということで、なぜそこまでインターバルがあったのかは不明だ。ともあれ、出来としてはオリジナルには…

「The Son 息子」

(原題:THE SON )秀作「ファーザー」(2020年)で93回アカデミー脚色賞を受賞した劇作家のフロリアン・ゼレール監督の第二作ということで一応期待したのだが、何とも要領を得ない出来に終わっていて閉口した。これはひとえに、設定の普遍性の欠如に…

プロ野球の開幕戦に行ってきた。

去る3月31日、福岡PayPayドームにプロ野球観戦に行ってきた。対戦カードは福岡ソフトバンクホークスvs千葉ロッテマリーンズで、今シーズンの開幕試合だ。私は開幕戦を実際観るのは初めてで、予想していたとはいえ客席は満員御礼で通路も人で溢れ…

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

(原題:EVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE )私は本作をアカデミー授賞式よりも前に観たのだが、鑑賞後は間違いなく大賞を獲得すると思った。そして実際は作品賞だけではなく計7冠を達成し、まさに完勝。言い換えれば、もしもこの映画が無冠に終わるなら…

「もう、歩けない男」

(原題:ADAM)悪くはないが、それほど良くもないという出来の映画だ。実話を元にした“難病もの”の体裁を取り、それなりのルーティンをなぞってソツなく仕上げているように見えて、大きなインパクトは受けない。実録作品であることに寄りかかり、観る者を惹…

「第20回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その2)

オーディオシステムの音の方向性を最も大きく左右するのがスピーカーであることは論を待たないが、トールボーイ型などのフロアスタンディング・タイプと、ブックシェルフ型などのコンパクトなモデルは、果たしてどちらが良いのか、改めて考えてみた。・・・…