元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「子供はわかってあげない」

今年度の日本映画を代表する青春映画の快作だ。とことん前向きなストーリーに、それに対して違和感をまったく覚えない作劇の妙。厳選されたモチーフの数々と、屹立した登場人物たちの大盤振る舞い。そして何より、映画の背景になっているのは夏の眩しい陽光…

「孤狼の血 LEVEL2」

前作(2018年)よりも面白い。パート1は往年の東映実録ヤクザ映画を“復刻”するというコンセプトを持っていたが、その方法論に拘泥するあまり、筋書きの精査は後回しになり現代に通じるモチーフも無いという、批判されるべきポイントが露呈してしまった…

「ジョー・ブラックをよろしく」

(原題:Meet Joe Black)98年作品。マーティン・ブレスト監督といえば「ミッドナイト・ラン」(88年)こそ面白かったものの、寡作の割にあとの作品は大したことはない。本作もやっぱり要領を得ない出来で、少しも観る側の内面に迫ってこない。だが、映…

「うみべの女の子」

面白く観ることが出来た。これはつまり、同じく石川瑠華が主人公を演じた「猿楽町で会いましょう」(2019年)の“前日談”のような映画である。あの作品のヒロインが、どうしてああいう感じになってしまったのか、本作ではその“回答”らしきものが提示され…

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」

(原題:THE SUICIDE SQUAD )確実に観る者を選ぶシャシンではあるが(笑)、作品のカラーとリズムに乗ってしまえばこっちのもので、最後まで存分に楽しませてくれる。とはいえ、一般世間的には拒絶反応を起こす向きが多いと思われ、体裁はヒーロー物である…

「ドライブ・マイ・カー」

濱口竜介監督といえば、2018年に撮った「寝ても覚めても」がどうしようもない駄作だったので今回もさほど期待していなかったが、実際に観てみると、想像以上の低レベルで大いに盛り下がった。しかも上映時間が3時間という、気の遠くなりそうな長さであ…

「乱れる」

昭和39年東宝作品。名匠・成瀬巳喜男監督の後期作品だが、森繁久彌主演の「駅前シリーズ」の併映ということもあり全盛期(昭和20年代から30年代初頭)の作品群ほどではない。しかしながらヒロインの内面描写には卓越したものがあり、観て決して損しな…

「モロッコ、彼女たちの朝」

(原題:ADAM)何やら、映画作りの方向性とストーリーが合っていない印象を受ける。つまりは、送り手がいたずらに“作家性”を前面に出したせいで、本来は単純であるはずの話が却って分かり辛くなったということだ。舞台設定とキャストの演技は申し分ないだけ…

「フリー・ガイ」

(原題:FREE GUY)映画自体は面白かったが、それ以外にも興味を惹かれるモチーフがあり、楽しんで約2時間を過ごすことが出来た。また、お手軽作品のようでいてけっこう社会風刺も利いており、ドラマが薄っぺらくならないのも良い。キャラクター設定および…

「アメリカン・ユートピア」

(原題:DAVID BYRNE'S AMERICAN UTOPIA )演奏者のパフォーマンスは素晴らしく、音楽ドキュメンタリーとしての体裁は整えられているが、これがスパイク・リーが演出を担当すると、途端にヴォルテージが落ちてくる。音楽に造型の深い別の監督が担当した方が…

「アーミー・オブ・ザ・デッド」

(原題:ARMY OF THE DEAD)2021年5月よりNetflixで配信。これは面白くない。ゾンビものだから、誰がどう撮っても一応はサマになるホラー編に仕上がりそうに思えるが、本作は余計な要素を入れ込んだ挙げ句にドラマは冗長になり、結果として2時…

Paradigmのスピーカーを試聴した。

興味深いスピーカーを試聴することが出来たので、リポートしたい。82年設立の、カナダのトロントに本社を置くParadigm(パラダイム)社の製品は、以前より何回か高額クラスのモデルを聴く機会があり、そのクリアな音に感心していたが、実はローコ…

「返校 言葉が消えた日」

(原題:返校 DETENTION)歴史劇と学園ホラーを合体させるという、この着想が素晴らしい。元ネタは2017年に台湾で発売されヒットしたゲームらしいが、そのゲームを題材として取り上げた製作者の慧眼を評価すべきであろう。本国では好意的に受け入れられ…

「すべてが変わった日」

(原題:LET HIM GO)時代設定は1960年代初頭だが、勇敢な主人公が悪者どもと対峙するという筋書きは、間違いなく西部劇だ。しかも登場人物の内面はよく描き込まれており、そして何といってもスクリーンの真ん中にいるのがスター級の面子なので、観た後…

「イン・ザ・ハイツ」

(原題:IN THE HEIGHTS)世評は高いようだが、個人的には凡作としか思えない。断っておくが、別にミュージカル映画が嫌いなわけではなく、その手の映画に緻密なストーリーや深い内面描写などを求めるのは場違いだというのも承知している。だが、本作はあま…

IMSビルが閉館。

去る2021年8月31日、福岡市中央区天神にある14階建てのファッションビル、IMS(イムズ)ビルが閉館した。今後建物は解体され、2022年度から再開発されるという。同ビルが開館したのは89年4月で、当時はバブルの全盛期。同年開館したソラ…