元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「世界の果ての通学路」

(原題:Sur le chemin de l'ecole)興味深い題材で、出来も良い。登校すること自体が“一大アドベンチャー”になっている子供達を取り上げたフランス製のドキュメンタリーだが、子供にとっての教育の重要さを再確認すると同時に、本作が優れたロードムービー…

「フィールド・オブ・ドリームス」

(原題:Field of Dreams )89年作品。素晴らしい出来映えで、この時期のアメリカ映画を代表する傑作だ。アイオワの片田舎、主人公レイ・キンセラ(ケヴィン・コスナー)はトウモロコシを育てる農夫だ。妻と10歳ぐらいの娘と3人で暮らしている。一見幸…

「ボス その男シヴァージ」

(原題:SIVAJI-THE BOSS )2007年作品。主演が“スーパースター”ラジニカーントで監督がシャンカールという、快作「ロボット」(2010年)のコンビがその前に撮った映画。福岡市総合図書館映像ホールで上映されたインド映画特集の一本として観ること…

「柳川堀割物語」

87年作品。題名のとおり福岡市柳川市の堀割の歴史と現状、それにまつわる人々の姿を描いたドキュメンタリー映画であるが、並の記録映画ではないことはスタッフの名前を調べればすぐわかる。製作が宮崎駿、監督が高畑勲。この二人については誰もがよく知っ…

「闇の帝王DON ベルリン強奪作戦」

(原題:DON 2 )2011年作品。2006年に公開されたインド製アクション巨編「ドン」の続編で、福岡市総合図書館映像ホールで上映されたインド映画特集の一本として鑑賞した。そこそこ面白く観ることが出来たが、残念ながら前作には及ばない。 アジアで…

「フィアレス」

(原題:FEARLESS)93年作品。設定としては面白く、展開も非凡なのだが、今一歩詰めの甘さが感じられる。とはいえピーター・ウェアー監督作としては面白い部類に属し、観る価値はあるかと思う。 建築家のマックスは大勢の犠牲者を出した飛行機事故から“生…

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」

(原題:INSIDE LLEWYN DAVIS )一般世間的に認知されるような“良い映画”ではないが、コーエン兄弟の演出タッチを解している観客、そして音楽好きな者ならば楽しめる作品かと思う。ちなみに私は面白く観ることが出来た。 1961年のニューヨーク。グリニッ…

フリーマン・ウィルス・クロフツ「樽」

戦前から推理小説史上屈指の名編と呼ばれ、評論家や読者が選ぶ歴代ベストテンにも幾度となく顔を出している作品だが、これまで私は読んだことがなかった。理由は、かなりの長編であることとアリバイ崩しが特徴的なF・W・クロフツの著作であることから“地味…

「青天の霹靂」

丁寧に撮られているが、作劇やキャラクター設定に釈然としないものが残るのは、やはり作り手が“素人”のせいだろうか。ウェルメイドを狙うよりも、異業種監督らしい八方破れな仕事ぶりを見たかったというのが本音だ。 場末のマジックバーで働くマジシャンの轟…

「フィラデルフィア」

(原題:PHILADELPHIA)93年作品。この映画は、おそらくハリウッドのメジャー会社が初めてエイズ問題を取り上げ、封切り当時は各賞を獲得した話題作である。しかし・・・・実際観てみると、どんな社会問題でも娯楽映画に料理してしまうハリウッドのしたた…

「スリーピー・ホロウ」

(原題:Sleepy Hollow )99年作品。ティム・バートンの監督作品としては、もっとも幅広い層にアピールできる映画だと思う。“オタク向け”や“子供向け”のシャシンではなく、こういう真っ当な(?)娯楽作をもっと手掛けて欲しい。 1799年。ニューヨーク…

「X-MEN:フューチャー&パスト」

(原題:X-Men:Days of Future Past )単なる“子供だまし”であった一作目と二作目の監督であるブライアン・シンガーが復帰したことで出来映えが危惧されていたが、実際観てみると一応は楽しめる内容に仕上げられているのでホッとした。もっとも、彼の監督と…

「ザ・シークレット・サービス」

(原題:IN THE LINE OF FIRE )93年作品。この年はクリント・イーストウッドの映画が3本も公開されている。アカデミー賞を獲得した「許されざる者」、そして本作、この次に「パーフェクト・ワールド」があった。ただ、以前感想を書いた通り、イーストウ…

「ぼくたちの家族」

家族が一致団結すれば困難も乗り越えられる・・・・などという、気恥ずかしく聞こえるようなスローガンを何の衒いも無く差し出し、それが求心力を獲得してしまう希有な例を見たような気がした。主題を本気で信じている作者の信念が、小賢しく斜に構えた見方…

「クッキー・フォーチュン」

(原題:Cookie's Fortune)99年作品。多彩なキャスティングによるサスペンス映画であり、けっこうエゲツない話ではあるのだが、観た印象はホノボノとしていて肌触りが良い。このあたりがロバート・アルトマン監督の老練さか。 アメリカ南部の田舎町で一人…

「ポンペイ」

(原題:Pompeii )面白くない。そもそも、ラブロマンスに仕上げようとしたのが大間違い。色恋沙汰をメインに据えれば、どうしてもドラマの幅が狭くなる。史実をネタにするのであれば、歴史好きを唸らせるような重層的な作りにしなければ、撮る意味が無いだ…

「トカレフ」

94年作品。阪本順治監督の初期の代表作で、間違いなく彼のフィルモグラフィの中で上位にランクされる作品。熱気をはらんだサスペンス劇であると同時に、優れたホラー映画でもある。破滅に向かって疾走する登場人物達の常軌を逸した行動は、観る者を慄然と…

「オー!ファーザー」

伊坂幸太郎の小説の映画化作品の中では、一番出来が良い。伊坂の作品の映像化は難しいのだ(もっとも、この映画の原作は未読なのだが ^^;)。愛読者が多いことからマーケティングの面で映画の題材として取り上げられやすいのは分かるが、アプローチの仕方も…

「ラスベガスをやっつけろ」

(原題:Fear and Loathing in Las Vegas)98年作品。ヤク中患者から見た世界をラリラリの映像で綴るという方法は、最初は面白いけど20分もすれば飽きてくる。ひょっとすると作っている連中も素面ではなかったのではと思ったが(笑)、とにかくテリー・…

「闇金ウシジマくん Part2」

前作よりも面白い。監督はPart1から続投の山口雅俊だが、前回の欠点を出来るだけ潰してタイトな作りに持っていこうとしている。その改善方策とは、脚本の精査とキャスト全体の演技力の押し上げだ。この姿勢は評価すべきだろう。 主人公・丑嶋が経営する…

ROTELのCDプレーヤーを購入した(その2)。

新たに購入したCDプレーヤー、ROTELのRCD-1570はスロットイン方式という“幾分ユーザーを選ぶ”ような仕様を採用しているが、その他にも神経質な(笑)リスナーが受け付けないようなメカニズムが散見される。ひとつは、操作音の大きさだ。 電源…