元・副会長のCinema Days

福岡県在住のオッサンです。映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「大鹿村騒動記」

地域伝統芸能の存在意義について考えたくなる一編だ。長野県の小さな山村・大鹿村。この村には300年以上続いてきた伝統の行事・大鹿歌舞伎がある。ここで鹿肉の料理店を営む風祭善は長年その歌舞伎の主役を演じてきたが、18年前に妻が仕事仲間の治と“駆…

中洲ジャズ2011

去る8月26日と27日、福岡市博多区の中洲地区で、音楽イベント「中洲ジャズ2011」が開催された。2009年から始まり、今回で3回目になる。5,6か所の舞台でジャズのプレーヤーが演奏を披露し、多数の観客を集めたようだ。 とはいえ、私は当日別…

「シベリアの理髪師」

(原題:Barber of Siberia )99年作品。19世紀末のロシアを舞台に、運命に翻弄される男女のラヴ・アフェアをスケール感たっぷりに描くニキータ・ミハルコフ監督作品。その年のカンヌ国際映画祭のオープニング作品でもある。 主演のジュリア・オーモンド…

「コクリコ坂から」

何のために作ったのか分からない映画である。1963年の横浜を舞台に、高校に通いながら実家の下宿屋を切り盛りする健気なヒロインと、新聞部の部長の男子生徒との微妙な関係を描く本作、どう見ても“ここを伝えたい!”というポイントが存在しない。ただ微…

最近購入したCD(その23)。

今回は交響曲三題。今年(2011年)はグスタフ・マーラーの没後百年に当たる。だから・・・・というわけでもないのだが(^_^;)、久々にマーラーの作品のディスクを買ってみた。交響曲第10番である。演奏はダニエル・ハーディング指揮のウィーン・フィル…

「一枚のハガキ」

99歳の新藤兼人監督のパワーにねじ伏せられそうになる一編である。第二次大戦も終わりに近い頃、中年ながら召集された松山啓太は、戦友の森川定造から、自分が死んだら手紙を読んだことを妻に伝えてくれと言われ、一枚のハガキを託される。やがて森川をは…

「オーロラの彼方へ」

(原題:FREQUENCY )2000年作品。ニューヨークでは珍しいオーロラが輝く夜、主人公の刑事はひょんなことから30年前の生きていた頃の父親と無線で交信出来るようになる。思わぬ奇蹟に陶然となる彼だが、やがて過去と現在とを結ぶ殺人事件の真相が浮か…

「ツリー・オブ・ライフ」

(原題:The Tree Of Life)今年観た映画の中で、一番つまらない。ただ、ネット上での本作に対する否定的評価を見ると“意味不明で分かりにくい”といったものが散見されるが、私は決してそうは思わない。作者の意図しているものは大方は理解できる。しかし問…

「ニッポン国・古屋敷村」

81年小川プロダクション作品。監督は三里塚闘争などの記録フィルムで知られる小川紳介。 舞台は東北の山村。映画はまずこの地方で頻発する作物の冷害についての科学的考察をおこなう。これがすこぶる面白い。実際に山村の地理模型を作り、実験に実験を重ね…

「レベッカ」

(原題:Rebecca )1940年製作で、日本公開は戦後の1951年。アルフレッド・ヒッチコック監督が初めてハリウッドで撮り、アカデミー作品賞を獲得した映画だが、私は今回のリバイバル公開で初めて観た。世評通り、今観ても古さを感じない格調のあるサ…

軍艦島に行ってきた。

先日、長崎県の軍艦島に行ってきた。軍艦島というのは、長崎港から南西の海上約18キロの地点にある無人島だ。正式名称は「端島」といい元々は小さな瀬であったが、地下に大量の石炭が埋蔵されていることが分かったため、明治時代の終わり頃から昭和の初め…

「行け!男子高校演劇部」

さすがは英勉監督である。まったくブレていない。今回は俳優・池田鉄洋の初脚本作を採用しているが、演出タッチは「ハンサム★スーツ」や「高校デビュー」とほとんど一緒。まさにおちゃらけ映画の王道を往く、天晴れな仕事ぶりだ。 高校に入学したばかりの主…

「イギリスから来た男」

(原題:The Limey )99年作品。長い刑務所暮らしを終えて出所したかつての極道男が、ひとり娘が事故死した真相を確かめるべくハードボイルドに立ち回る。監督はお馴染みスティーヴン・ソダーバーグだ。 テレンス・スタンプのクソジジイぶりが痛快。非常に…

「アリス・クリードの失踪」

(原題:THE DISAPPEARANCE OF ALICE CREED)前半部分はかなり面白い。刑務所帰りの中年男と若い男の二人組が富豪の一人娘であるアリスを誘拐するのだが、その手際が実に鮮やかだ。 ミニバンを盗んでナンバーを交換。ホームセンターで必要な道具類をテキパキ…

「ことの終わり」

(原題:The End of The Affair )99年作品。戦後間もないロンドンを舞台に、小説家と彼の友人、そして戦時中に小説家と恋仲であった友人の妻との運命に翻弄される悲しいラヴ・アフェアを描く。 劇中に“第三の男とは誰なのか”との謳い文句があるのは、原作…

「甘い生活」

(原題:La dolce vita )1959年作品。巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の代表作とされている映画だが、私は今回のリバイバル公開で初めて目にした。ハッキリ言って、かなり図式的なシャシンだ。ただしその“図式”の問題性は、製作から約半世紀経った今で…

「英雄チャルガ」

(原題:Charuga)91年ユーゴスラビア作品。私は同年の東京国際映画祭で観ているが、たぶん国内では一般封切公開はされていないだろう。第一次大戦の頃、当時のオーストリア=ハンガリー帝国の支配からユーゴの民衆を解放しようとした伝説の義賊チャルガの…

「あぜ道のダンディ」

呆れるほどつまらない。前作「川の底からこんにちは」で高い評価を受けた俊英・石井裕也監督の新作ということで期待は大きかったのだが、打って変わったような不調ぶり。前回見られた達者な内面描写も、目を引く映像処理も、真摯なメッセージもない。まるで…

「アリ」

(原題:ALI )2001年作品。ヘビー級王座に君臨した伝説のボクサー、モハメド・アリの生涯を追った実録ドラマだが、出来としてはつまらない。マイケル・マン監督がこの素材を取り上げたという事実だけですでに「終わって」いる映画である。 寒色系の画面…

「テンペスト」

(原題:The Tempest )製作の意図がよく分からない映画である。元ネタはシェイクスピアの戯曲だが、有名作品だけに今まで何度か映画化されている。私が観たのは79年のデレク・ジャーマン監督版と、91年のピーター・グリーナウェイ監督による「プロスペ…

マイケル・シェイボン「ユダヤ警官同盟」

安ホテルで起きた殺人事件。被害者は麻薬中毒者で、傍らになぜか対局途中のチェス盤が置いてある。酒浸りの日々を送る殺人課の刑事ランツマンは捜査を開始するが、思わぬ真相が次々と浮かび上がってくる・・・・という話だ。 筋書きは典型的なミステリーだが…

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」

(原題:Hedwig and the Angry Inch)2001年作品。オフ・ブロードウェイでロングランヒットを記録したロック・ミュージカルの映画化。監督はこれがデビュー作になったジョン・キャメロン・ミッチェルで、主演も兼ねている。 主人公ヘドヴィグは共産主義…

「悲しみのミルク」

(原題:La teta asustada)前に観たタイ映画「ブンミおじさんの森」と似たような作品だ。つまり“メジャーな映画祭で大賞を獲得したのに、さっぱり面白くない”という意味で両者は同格である。さらに、非・欧米圏の映画でありエキゾチシズムを前面に押し出し…

「ソウル」

2001年作品。警視庁の新米刑事の早瀬は、韓国人の容疑者を本国に無事送り届け、土産のキムチを手に帰国の途に着こうとしていた矢先、現金輸送車強奪事件に巻き込まれてしまう。さらに、彼は犯人の唯一の目撃者としてソウル警察に捜査協力を要請され、現…