2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧
(原題:JURASSIC WORLD:FALLEN KINGDOM )前作より質的にダウンしている。それでも前半はまあまあ楽しめた。しかし、中盤以降は話にならない。脚本が底抜けであるばかりではなく、演出もたどたどしくて、とにかく観ていられないのだ。恐竜達を画面上でウロ…
(原題:La Lectrice )88年フランス作品。とても面白く観た。本作の主題は、ズバリ言って“読書の奥深さと官能性”であろう。本を読む、そして読み聞かせるというのは、日常生活から別の世界に逸脱するということだ。 ならば映画もそうではないかという意見…
(原題:LE REDOUTABLE )主演女優の魅力で何とか最後まで付き合うことが出来たが、内容自体はまったく面白くない、作劇及び脚本の質が悪いのはもとより、そもそも作者は題材に対して何の関心も抱いていないようだ。いかなる理由でこの映画が製作される運び…
(原題:SCENT OF A WOMAN)92年作品。大統領の側近まで務めた歴戦の英雄ながら、態度のデカさと口の悪さで人の敬意を得られず、家族からは無視され、孤独のまま退役を迎えた目の不自由な初老の元軍人フランクが、若い主人公チャーリーとの出会いにより、…
(原題:WONDER WHEEL)ウディ・アレン御大の名人芸を存分に堪能出来る一編だ。作品傾向としては「ブルージャスミン」(2013年)に通じるものがあるが、作者の素材への視点は、より一層辛辣で身につまされる。だが、それでいて映画としては“心理的スペク…
(原題:FINGERS )78年作品。主役の若き日のハーヴェイ・カイテルのサイコ演技を存分に堪能できるシャシンであり、それ以外の目的(たとえば、平易な娯楽編を気軽に観たい等)をもってこの作品に接するのは、断じて奨められない(笑)。このように観客を…
設定は面白いのだが、出来映えはとても合格点は付けられない。聞けば新人の映像作家の発掘を目的としたコンペティションで入賞したオリジナルストーリーの映画化らしい。しかし、いくら原案が優れていても、脚本のクォリティをはじめ、キャストに対する演技…
(原題:EL PATRULLERO )91年メキシコ=アメリカ合作。アレックス・コックス監督の映画はあまり観ていないし、彼自身、ここ10年間は新作を手掛けていない。ただ、本作によって個人的にコックスは十分記憶に残る演出家になった。とにかく、この禍々しい…
終盤の作劇面での不手際により満点は付けられないが、それでも昨今の日本映画の中では上出来の部類だ。第71回カンヌ国際映画祭で大賞を獲得した事実を考慮せずとも、十分に語る価値はある。 有り体に言えば、本作が提起しているのは“家族とは何か”というこ…
(原題:Next Stop Wonderland)98年作品。ウィットに富んだ小粋な大人のラブコメの線を狙ってはいるが、作者の力量がイマイチであるためか、物足りない出来に終わっている。上映時間が96分と短いにも関わらず、かなり長く感じてしまった。 恋人に振られ…
(英題:ON BODY AND SOUL)設定こそ突飛だが、スムーズで考え抜かれた演出と見事なキャラクターの造型により、見応えのある映画に仕上がった。変化球を駆使した“ボーイ・ミーツ・ガールもの”といった案配で、しかも余韻が深い。2017年のベルリン国際映…
(原題:HIGH ART)91年アメリカ=ブラジル合作。少予算で、拡大公開もされなかったシャシンだが、実際観てみるとキレの良いタッチで引き込まれるアクション編である。ラテンアメリカの映画も捨て難いと思ったものだ。 アメリカ人写真家のピーターは、新た…
(原題:YOU WERE NEVER REALLY HERE)上映時間は1時間半と短いが、密度はとても高い。鑑賞後に内容に関して深く考えたり、誰かに感想を述べたりせずにはいられない求心力を有している。主要アワードを獲得したことが作品の質に直結するわけではないが、第…
(原題:Bat 21)88年作品。特段優れている映画ではないが、観ている間は引き込まれるほどの勢いがある。ヴェトナム戦争をネタにしたシャシンの中では着眼点が良く、また実録物としての重みもある。接して損をすることはない作品だ。 72年3月。任務遂行…
製作意図が全然分からない作品だ。この映画の中では何も描かれていないし、作者は何も描こうとしていない。すべてが空疎で、冴えない映像だけがダラダラと流れてゆく。1時間半ほどの上映時間ながら、とてつもなく長く感じられた。 主人公の初海は3年前の春…
93年作品。若松孝二という監督は作品数が多く、その中には傑作も何本かあるのだが、一方では箸にも棒にもかからないシャシンもある。つまりは出来不出来が激しい作家で、本作はどうかというと、正直言って下から数えた方が早いだろう。気になるのがこれは…
(原題:DEADPOOL 2)前作よりも面白い。もっとも、パート1があまりにも低調だったので、それに比べれば随分とマシに見えるのかもしれないが(笑)、とにかく最後まで退屈せずスクリーンに向き合えたことは確かだ。 エイジャックスとの戦いから2年後、デッ…
83年作品。通常、映画の質は主に脚本(筋書き)で決まり、次に重視されるのがキャストのパフォーマンス、そして演出という順位である。監督の個性、ましてや作家性という名のケレンなんかは、下位に置かれても仕方がない。しかし、ごく一部に作家性だけで…