2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧
(原題:Au Revoir Les Enfants )87年フランス作品。本編はルイ・マル監督の自伝的作品である。そして同監督のフィルモグラフィの中でも1,2を争う出来映えで、第44回ヴェネツィア国際映画祭金賞やセザール賞、ルイ・デリュック賞などに輝いている。 …
石井裕也監督にとってラブコメ映画は守備範囲外であることを、如実に示した一作。とにかく、全編に漂う違和感が観る者がストーリーに入り込むことを拒絶しているかのようだ。製作側はいったいどういう基準でこの演出家を起用したのか、全く分からない。 高校…
(原題:Round Midnight)86年作品。まさに、ジャズ・ファンのイメージする本物の“ジャズ映画”である。これは当時現役のミュージシャンが主人公を演じていたという事実だけではなく、話の設定や雰囲気がもろにジャズなのだ。バド・パウエルとフランシス・…
観終わって、今後作られる娯楽時代劇は一切チェックする必要は無いと思った。最早この分野におけるスキルも人材も払底してしまったらしい。そんな情けない気持ちになるほど、この映画は低調だ。 江戸での勤務を終えた坂崎磐音と彼の幼馴染みである小林琴平と…
(原題:Prova D'Orchestra )79年作品。正直言って、わけの分からない映画である。だが、フェデリコ・フェリーニ監督にとって“わけの分からないまま観客を埒外に置く”という無責任な態度とは無縁だ。何しろ、実際観た印象はとても面白いのである。前衛的…
良い部分と良くない部分が混在している映画だが、実のところ良くない部分の方が多く、結果として及第点には達していない。聞けば巷の評判は悪くないようだが、その理由が見透かされてしまうのも何ともやりきれない気分になる。 2007年秋。東京郊外に住む…
92年フジテレビジョン作品。「バタアシ金魚」(90年)と並ぶ、松岡錠司監督の初期の代表作だ。軽やかに見えて、実はシリアスに登場人物の内面に迫っていく。しかもそのアプローチはポジティヴかつロマンティックで、鑑賞後の印象は良好である。 イタリア…
面白い。内容がリアリズムの方向には振られておらず、登場人物は多分にカリカチュアライズされている。しかし、観ていて実に胸に刺さるのだ。誰しも胸の奥に秘めている身も蓋もない願望、そして“分かっちゃいるけど、やめられない”とばかりに自身を追い込ん…
(原題:Enemies,A Love Story)89年作品。ポール・マザースキー監督のフィルモグラフィの中では、間違いなく「ハリーとトント」(74年)や「結婚しない女」(78年)と並ぶ代表作だと思うのだが、アカデミー賞候補にもならず(注:各種批評家賞は受賞…
(原題:STAN & OLLIE)悪くはないが、どうも薄味だ。これはひとえに題材となった往年のお笑いコンビ“ローレル&ハーディ”の芸が古いからだと思う。 彼らはサイレント期からハリウッドで活躍していたのだが、同時期のチャップリンやキートンおよびロイドらが…
89年作品。ひょっとしてこれは、デミアン・チャゼル監督の「セッション」(2014年)と似た構造の映画なのかもしれない。もちろん「セッション」ほどのヴォルテージの高さは無いが、日本映画で音楽の何たるかをこれだけ追求した作品というのは珍しいと…
(原題:LES GRANDS ESPRITS)「パリ20区、僕たちのクラス」(2008年)や「バベルの学校」(2013年)など、フランス映画は教育現場を舞台にしたメッセージ性の強いドラマを作るのが得意だが、本作も見応えがある。また提起される問題はヘヴィであ…
(原題:COMO AGUA PARA CHOCOLATE)92年メキシコ作品。妙な映画で、決して幅広い層に奨められるシロモノではないのだが、不思議な吸引力はある。少なくとも“グルメ映画”としての価値は誰しも認めるところであろう。93年度の英国アカデミー賞において、…
捻ったストーリーで観客を翻弄しようとして、物語の根幹部分が崩壊するに至るという、何ともやりきれない映画だ。有名俳優が演出(および脚本)を手掛けること自体に異存は無いが、今回のケースは的確な助言やサポートが出来る人材が周囲にいなかったと思わ…
86年作品。市川崑監督作としては殊更優れたものでないが、伯爵夫人を演じる浅丘ルリ子の突出したパフォーマンス、および高いレベルの美術と衣装デザインにより、存在感のある映画に仕上がっている。また、製作デスクに原作者の三島由紀夫の遺児である平岡…
(原題:AVENGERS:ENDGAME)見事な出来映えで、3時間もの上映時間がまったく長く感じられなかった。もっとも、細かいところを見れば辻褄の合わない箇所が散見される。しかしそれでも“11年間にも及ぶシリーズを何とか完結させよう。それにはこの手しかない…
(原題:A Life Less Ordinary)97年作品。天使の策略で出会った男女の恋の行方を描く、変則的なラブコメディ。センスが良いとは言えないこの邦題は“普通以下”という意味で、作品の内容を表現しているのかもしれない。 ダニー・ボイル監督のハリウッド進出…
(原題:THE FOREIGNER )ジャッキー・チェン主演作としては珍しい、コメディ的要素が皆無のシリアスな活劇だが、とても楽しめた。何より、脚本が良い。事件に絡む複数の勢力を的確に配置し、それぞれに十分な役割を与えた上でラストにすべて回収するという…